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社会保障番号 Hiroko

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田舎の女学生との連携。党の学生評議会



 党は最も権力があるが、もっと権力があるのが、官僚とのし上がったブラック企業の大富豪たちである。党の政治家も大富豪の良いように使われる。
 そして、日曜日、茨城県のある市内の中学生と高校生たちが集まり、党への忠誠心を示す大会が始まった。

 私は党に忠誠したふりをする。将来、内部からか党を破壊するという夢がある。
「みなさん、とても幸せそうですね」
「しあわせです」
「水道や電気に不自由ですが、しあわせです」
「お金があってもモノが自由に買えないけど、しあわせです」
 私は党に信頼された女子中学生。柏市の女子中学生を代表して党の素晴らしさ、日本に対して行った実績などを、みんなの前で告げる。
 とても緊張して頭の中が真っ白なるが、準備した原稿を読み上げる。
「そうです。毎月、チョコレート20グラムを、みなさんに1000円で売ります。チョコレートもアイスクリームも月に1度だけ口にできません。でも、アフリカや中東は、内戦が酷く、病院にいきたくてもいけません。党は医療のために尽力をしました」
「党のために、私、命をささげます」
「では、将来、党のために命を捧げられる人は」
 多くの学生が一斉に手をあげた。
「党、万歳。万歳」

「日本は先進国で民主主義国です。個人の人権が保証されています」
「そうだ!」
 遠くから大きな声援の声がある。
「私は党のために、県立高校に入学し、国防軍に入隊、将来は警視庁に入り、不穏分子を全て駆逐させます。治安維持のために身を捧げます」
 私は、言っていることと思っていることが全く反対のことを言う。
 自分が思っていることを言えば、政治犯として捕まえられる。外部の武力レジスタンスも機動隊に潰される。マスコミでは悪者として報道される。
 『自由の敵、民主主義の敵』として。


 でも、みんな民主主義というのはどんなものか理解できていない。

 私は心細く感じる。誰を信じていいのか。正しいと思える意見を踏みにじらなければならない時もある。党を分裂させ、日本に民主主義を復活させるために。

作品名:社会保障番号 Hiroko 作家名:ぽめ