The world make kaput <1章:2>
…人?
ラウルは帰り道、考え事をしていた。金色のイヤンクックの事…攻撃を加えても反撃の素振りもなかった。
それにエリスも…ただ怖かっただけか…?なんにしても村長に報告だ。そう思い、足を速めた時だった
エリス:
「ラウルさん」
このエリアを抜けて次のアプトノスがいるエリアを抜ければキャンプに着く所でエリスが声をかけてきた。
ラウル:
「…どうした?」
考え事をしていて少し返事が遅れたがラウルは2、3歩後で立ち止まっているエリスの方に顔だけを向けた。
エリス:
「何か声が聞こえません?」
ラウル:
「―ん?」
そう言われて耳を澄ます。
「――ギャーォ…ギャーォ――…キャー―」
普通に聞き流せばランポスが騒いでいるように聞こえる。
その声はエリアの入口のすぐ横にある小高い崖を登った先からのようだ。
「ギャーオ…キャァー!――」
『―!!』
2人して顔を見合わせる。
エリス:
「人の声…かな?」
エリスが自信なさげにラウルを見る。
ラウル:
「分からんが、一般人だったら大変だ。行ってみるぞ」
エリス:
「アイアイサ!」
ラウルが先に崖上へと続くツタを掴みスイスイと登って行く。
エリス:
「ラウルさん~」
登りきったラウルが下を覗くとエリスはまだ半分も登っていなかった。
エリス:
「何やってんだ…」
そう言うとしゃがみこんでエリスの腕を掴み一気に引っ張りあげた。
エリス:
「ぅひゃっ!…ぐぇッ!」
と同時に手を離され、ラウルの足下に落ちた。
エリス:
「ラウルさんヒドいぃ」
服に付いた土を払いながらラウルを見たが既に声のする方へ駆け出していた。
エリス:
「あ~ん、待って下さいよ~」
作品名:The world make kaput <1章:2> 作家名:ますたーど