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瀬間野信平
瀬間野信平
novelistID. 45975
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火付け役は誰だ!

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火付け役は誰だ!


△一番、尻に火がつく慌てよう▼


未知との遭遇。


ついそんな言葉を浮かべてしまった。
俺は何をしてるか。
今は何をしてるでもないというのが正しい。
更に正しいのは今、何もできないという方だ。
俺、こと今年高1非青春ライフ真っ盛りな火口星彦(ほくちほしひこ)は今まで何もハプニングは起きてこなかったし別段悪い事もしてない。
名前でからかわれたのは数えるのも覚えるのも不可能なほどだがまぁ牛を引く方じゃないし。
夜空に輝くほど俺の命は燃え尽きておりません。
悲しいながら一年に一回しか会えないとかのお相手は無論いない、泣けてくる。
…まぁそんなこと今、どうでも良い、最優先事項を話そうか。



何故洗濯物の山がもぞもぞ動いてるんだ?



≡≡火付け役は誰だ!≡≡



話は数分前にさかのぼる。

「今日も良い天気で、まさに春うららといった感じです♪」
「…あーそーなの。」

テレビのお天気お姉さんに完璧に棒読みでつい言い返してしまった。
悪気はないとはいえばつが悪くなり頭をかく。

「とはいえ、文句ぐらいは良いよなぁ。」

窓を見ながら一人ため息。
俺の部屋は暗い、そこのお前、インテリアがじゃないぞ。

「何故なら!!!目の前!!!!!高層ビルッ!!!」

立ち上がり手振りをしても身振りをしても叫んでも日の光は弱いまま、自分って無力なことをもれなく痛感。
俺が住むここは学校の寮、マンションなのだが、日の入る北側の窓は高層ビルが前にあって五階の俺は日の光を見れないのだ、ほぼ。
そろそろ友人に吸血鬼でもいようもんなら譲渡しようかってぐらい部屋が暗い、その為に電気代も油断すると楽しい事になりそうだ。
洗濯物も冬は乾燥機だからその点も電気代が赤字まっしぐらな事を予感させる、日が当たらないと太陽光発電も出来ないし。

「…辛いから体動かすか。」

辛い時は体を動かせとどこかのアスリートとかが言った気がする、気のせいだ。
とはいえ俺の体を動かすというのは風呂場まで干してある洗濯物を取りにいくという意味、年寄りだなっと後輩に言われても無理はない。

「よっこらせ。」

ミッションクリア、ちゃぶ台の隣にタオル中心の洗濯物を置き、本当に爺臭いセリフをため息と吐き出す。

「…こういう所がモテない理由か、………………辛え。」

ひと叫びして落ち着いたっと。
さて、ちゃぶ台拭いてそろそろ夕飯


事件は起きた!!!!


「…ん?」

机の上が異常異常、警戒警報警戒警報。



何かちっちゃい手がある。



思わず二度見、いや二度ガン見してしまう俺に構わず、手はポスと何かを置いてそのままポン!と手品のように消え去った。

「幻…覚……?昨日椎茸食い過ぎてマジックマッシュルーム?」

※異物混入

「それとも朝のヨモギ団子の中にドッキリでマリファナ団子でもあったのか?」

※異物混入。

混乱の極みに陥りかける精神を深呼吸にて鎮圧、とりあえず置いたモノを読む。

「手紙?『親展、火口様。貴方には火を差し上げます。』」

一応裏返す。
可愛らしい丸文字で

「萌やしますか?」



即座にゴミ箱ダンクッ!!!!



第一感想、誰だこれ書いたのは、男子のイタズラなら容赦しない、よりによって出会いがないこの俺に。
…第二感想、内容わけわかめ。
あまりに混乱して感想すらわけわかめだが気にするな。
あまりの訳分からなさに思わず手紙に指で『?』って書いたぐらいだ。
そしてここで混乱トロピカルパレードがフィナーレに達した。



手紙が爆発した。



「?!もうなんなんだ!?手紙爆弾とか新たなテロ?テロなのか?テロリスタンなのか!?」

自分で突っ込みすら入れられない、驚きで。
幸いペットボトルロケット系の圧縮空気が破裂したようなモノのようで怪我はないから俺は動機を抑えながら洗濯物畳みをやろうとしたのだ。



≡≡火付け役は誰だ!≡≡

作品名:火付け役は誰だ! 作家名:瀬間野信平