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グランギニョールは微笑んだ 第一章

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ゼロの困惑


ハーケンが廊下を歩いていると、少年は話しかけてきた。
「ハーケン!」
山野、バン。確か世界を2度救った英雄だった気がするが、父さんは何も話してくれなかった。長い間軟禁状態でいたから。
「…自分に何の用が「LBXバトル、やろうよ!」
ハーケンは困惑した。いきなり何故LBXバトル?と思いながらも、訳が分からず連れて来られた。ジェシカは「は、ハーケン!?」と驚きながらも、動揺を隠さなかった。
ドレッドヘアの少年、アルテミス準優勝者の二人、耳当ての少女、今年の大会の優勝者が居る。これはどう言う事だ?
「…自分には分からない。LBXバトルは…。」
「貴方がジェシカさんの弟さんですか!」
「だーかーら弟じゃ!」とジェシカは叫び、突っ込みながらもヒロはそれを無視し、彼はキラキラと目を光らせていた。

「放っておいてくれ!」

ハーケンはカッ!と叫び、バン!と飛び出して行った。残ったメンバーは困惑し、ジェシカは心配していた。
(…ハーケン。やっぱりパパが言っていた通り…。)

(自分には訳が分からない!自分はただ黙っていればいい人形なのに…!)
ハーケンは無我夢中で廊下を走っていた。こんな感情は、知らない。無知は罪、無垢は罰、それを繰り返す感情は、《Thanatos》の揺り籠に揺らされている?
ドン!と誰かとぶつかったが、今は如何でも良い。ハーケンは外へ出て行った。

(…今の子供は…。)
鎧を纏った青年はさっきぶつかった子供を見ていた。昔の記憶が新鮮に、鮮やかに覚えている。今はカイオス長官に会わなければ。
「…急がなければ。」

「…ローゼンバウム国からきた皇帝がカイオス長官に会いたい?」
大空遥はその情報を聞いて、研究員が驚愕の事を言った。

「――パラダイス破棄を、中止してほしい。」