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グランギニョールは微笑んだ 第一章

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養子


――その頃NICS本部では
「パパ…、話したい事って何なの?」
ジェシカがカイオス長官に呼ばれた。NICS本部司令室で彼女の父は、真面目な顔で伺っている。
ジャストタイム0.05秒、走っていったから間に合った。パラダイスが破棄される当日、父は何を語るのか?
「実は…、――私には一人の養子がいる。」
「――!?」
ジェシカは驚愕した。何でいきなり?そんなの有り得ない!?と思うが父親の顔が本気だ。納得するしかなかった。
「…例え隠し事をしてもパパはパパよ。あたしは信じるから。」
「そうか…。では、呼んでくるからな。」
カイオス長官が連れてきたのは、ジェシカと年は変わらない銀髪の青年だった。青い目
に和風の服装をしている。

――隠し子にしても、妙に変な雰囲気ね。

「彼はハーケン・ブロウニング。孤児院「銀の院」から引き取ってきた少年だ。宜しく頼むぞジェシカ。」
「…父さん、彼女がジェシカ?」
ああ、そうだとカイオス長官が言い、ハーケンはこくりと頷いた。…ていうか、冷酷すぎるわねと思うも突っ込みどころが満載…。ジェシカはそう思いながらチェスを引っくり返すように頭を回転させた。
「…宜しく、ジェシカ。」
「…こちらこ…っ…!?」
カイオス長官は如何したジェシカ?と言うがジェシカの頭の中に直接響く声がする。

『…00…アンドロイド……の人間…』
『…や…めた…』

「あううっ!!」
ジェシカはハーケンの顔を見、頭を抱えた。
「ジェシカ…?」
ハーケンが言うもジェシカは大丈夫よ。と言うが心の中で思った。
(何で頭痛が…?それに何で…?)
気になることが沢山在るけど、今はハーケンに集中だ。
「…姉さん…?」
「ね、姉さん!?ジェシカって呼んで?!」
これから大変な事になりそうだ。とジェシカは思った。