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グランギニョールは微笑んだ 第一章

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皇帝はかく語りき


「…如何言う事ですか、パラダイスを破棄するなって!」
大空遥は叫びに近い声で言った。研究員は「そ、それがローゼンバウムの皇帝がニックスに直接乗り込んできてえええ!」
オロオロしている研究員に対し、遥は納得がいかないわ。と語った。
(…ローゼンバウムから来た若き皇帝、――アクセル、貴方は私に何が言いたいの…?)

「君が大空遥か。話は聞いている。」

あの声が、凛々しく響いている。

「…騒がしいな。」
ジンが何か察し、ユウヤはバタバタと騒いでいるね。と語った。ハーケンが出て行って30分後、ジェシカは内気な気持ちで居た。弟の事だろうと思い、ジンはそっとして置いた。するとピートはこう語る。
「…誰か、来る。」
「来るって、何がですか?ピートさん。」
ドタドタドタ…。誰かが走っている音がして、止んだ時にカズは「収まった…か?」とホッと撫で下ろした瞬間――
《彼》は現れた。

「…大空ヒロは、何処だ!?」

…。全員が沈黙の空気の中現れたのは鎧を纏った青年。若いと思われ、貴族と思われる。カズが「お、お前…。」と言っているが、青年はヒロの手を掴み、今すぐにお前の母親や大統領を説得してほしい!と語る。
「あああああアクセル!?何でお前がここに居るんだよ!!」
カズはガクガクと足が震えている。かつて彼から見た若き皇帝は、カズよりも獅子奮迅な殺気を持っていたが。

「…君は少し落ち着いた方が良い。」
アクセルを殴ったのは少しオクターブが低い少年だった。その声に聞き覚えがある。もしかして、彼は。

「…サン!」

かつて敵として現れた少年は、凛々しくも成長していた。久し振りだね、バンと語る彼は微笑み、手を振った。
「…私が悪かった。少し落ち着いた方が良いな。」
アクセルはそう語り、殴られた頭を抑えながらそう言った。ランは「…遠い国から来た皇帝が何の用なの?」と語る。それに、パラダイス破棄中止って?

「…私には予知能力がある。予知している。パラダイスを破壊したら、破滅をもたらす。と」

若き皇帝は、悲しげに言った。