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タマ与太郎
タマ与太郎
novelistID. 38084
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Tadの「なんちゃって留学記」 2008.6.29~7.14

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滞在中、何度か外食させてもらう。
そのうちの一回は、知り合いの友人である日本人女性のお宅に「お呼ばれ」する。
スイス人のご主人が作ってくれる、
チーズたっぷりのソースのかかったローストポークは絶品だ。
Quails Gateというブランドのカナダワインがその味をいっそう引き立ててくれる。
あとの二回はカナダ在住の別の日本人女性の二人の息子さんが働く日本風居酒屋さんだ。
同じ系列の2店舗がダウンタウンのはずれに位置する。
一回目はTadひとりで末っ子のお店へ、
二回目は次男の働く別のお店へ、その女性に連れて行ってもらう。
両方ともその界隈では有名なお店らしく、店はいつも満席だ。
やはり日本料理は世界に通用するのだと、今更ながらに感心するTadである。

ところで、なぜTadにはバンクーバーにそんな知り合いがいるのか、
不思議にお思いの方もいらっしゃるだろう。
これもお酒が絡んでいる。
Tadの住む地元には、Tad夫婦がよく行く小料理店がある。
そこのオーナーのご夫婦が、バンクーバーでテイクアウトのお弁当屋さんをやっていて、
そのときのそのご夫婦の知り合いを今回紹介してもらったわけである。

ダウンタウンから少し離れた幹線道路を走っていると、
「すし」の看板を掲げたお店を何軒も目にする。
聞いた話によるとそれらのほとんどが中国人の経営する「すしっぽい食べ物」の店らしい。
また、あるところにはインディアン街と呼ばれる区域があり、
そこはインド料理屋とターバンを巻いた人たちばかりが道を歩いている。

地元のスーパーに何度か足を運んでみる。
面白いのは日本の即席ラーメン(カップ麺ではない)が売っていることだ。
パッケージはカナダ用にアレンジしてあるが、
聞きなれた商品名にふとラーメン好きの娘を思い出す。
ちなみにリカーショップの片隅に日本酒が置いてあるのを見かけた。
だが、Sakeという看板の下に客は誰もいなかった。

「日本料理は世界一なのに日本酒はいまいちか…」

このように、カナダといってもバラエティに富んだ食べ物がいろいろとあり、
この章の冒頭で述べたとおり、何がカナダ料理なのかわからないのだ。
留学の中盤、そろそろTadの食欲中枢が疼き始めた。

「あ〜、納豆食べた〜い」