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『愛情物語』 ノクターン第2番 op.9-2 (ショパン)

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 大阪府下では殺人や傷害事件が頻発していて、捜査1課の人員を多くは投入できず、捜査にも行き詰まっていたところで、山梨県警に依頼していた高科保に関する経歴と、彼の周辺の人間関係の調査結果を受け取った。
 高科保は2カ月に1度、山梨大学医学部の再生医療研究室で、経年継続研究として、ひとりの女性を診察しているという情報を得た。ほとんどの研究員たちは知らなかったのだが、20年来所属していた女性補助員がもたらした情報である。
 診察していたというその女性、大迫希に関するわずかの情報も付いていた。
 また彼女の携帯電話番号は、高科保の携帯電話の通話記録にも残されていたのである。

 捜査1課の西村係長は森主任でなく、高科家の内情に詳しい、所轄の村田刑事に出張を命じた。
 朝6時に家を出た村田刑事は、新幹線で名古屋まで出ると特急しなの3号に乗り換え、さらに塩尻で特急あずさ12号を利用した。

 信州に来るんは何年振りやろか、学生の頃は夜行列車で、仲間らとスキーによう来たもんや。徹夜明けのままスキーをし、民宿でまた騒いで・・・あの頃の体力はすっかり失せて、今では徹夜勤務は、体にこたえるなぁ。
 後10年で定年か。
 定年なったら嫁はん連れて、またスキーでも再開しようかな、
などと雪景色の車窓をぼんやり見ながら考えていると、電車は甲府駅に到着した。
 駅に降り立つと寒さが身にしみ、身震いしながら苦笑いした。これやと、スキーは無理やな、と。

 山梨県警は駅のすぐ近くにあった。連絡を入れていたので車の迎えがあったが、歩いてもしれている。
 依頼した調査などを請け負ってくれていた近藤刑事が、聞き込みにも同行してくれることになった。
 山梨大学で高科保がいつも出会っていたとかいう唯一の人物、大迫希から何かが得られればいいのだが、と考えていた程度だった。