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現代探偵神学入門

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 例えば僕が探偵役だとする。探偵は事件を推理し解決するのが仕事であるから、必然的にその事件を起こす犯人の存在もまた必要となる。
 ともすれば、誰かを犯人に仕立て上げることをせねばならぬ。なので僕は人物Aを犯人役とする。もちろんまだ事件は起きていないので、正確にいえば人物Aが犯人であるとは知らないし、僕は探偵ですらない。
 事件は然るべきところで起きなければいけないので、探偵役の僕と語り部である僕の友人は例えば古い洋館に出向く。それは洋館の主人から招待されることもあれば、単なる好奇心によるものである場合もあるが、細かいことはこの際関係ない。
 さて、洋館には僕たちのほかに、その洋館の主人をはじめ、人物A、人物B、人物C、、、等さまざまな人物が集まっている。(これは物語上の必然であって、人々が集まるところに事件が生まれ探偵が現れる。)そうして物語は進み、事件が起きる。
 殺されたのはこの洋館の主人で、事件現場は密室である。そう断定できる理由は簡単で、難解な事件でないと探偵役が生まれないからである。
 ここで重要となるのが、語り部が僕の友人であるという点である。つまり、語り部である僕の友人は、その物語のはじまりから僕の存在を知っていて、僕が犯人でないことがすでにわかっているのだ。もちろん僕自身事件を起こしていないと断言できるので、語り部と行動を共にする僕が探偵役としては適任であろう。
 早速僕は推理に取り掛かるわけだが、すぐに人物Aを犯人だと言い当てるとは限らない。解決までには途中、人物Bや人物Cを犯人と見誤ってしまうこともある。そうして大概は容疑者も殺されてしまう。謎は複雑でなければおもしろくないからだ。
 そして最終的に、僕は密室のトリックを解き明かし真犯人を突き止める。もちろんトリックや動機はさまざまで、ここでは割愛して差し支えないだろう。
 無事事件を解決した僕と友人は、以前の平凡な日常へと帰っていく。もちろんその日常の多くは語られることはない。
 以上のように、この物語は僕を中心にまわっている。探偵は一連の物語をつかさどる神なのである。
作品名:現代探偵神学入門 作家名:青位 弾