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四神倶楽部物語

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 ミッキッコたちの三人も同じ考えなのでしょう、特にそれへの言葉を挟まず、その通りですと後押しをしてくれました。
「お兄さん、そらそうだわね。現実の活動もわからず、これからどうするかは決められないわよね。じゃあ、ちょっとここの地下に案内するわ、付いてきてちょうだい」
 魔鈴たちは私たちのこんな心境を理解してくれたようで、手招きし、奥の部屋へと連れて行ってくれました。そして階段を降り、全員地下室へと潜り込んだわけです。

「あっ!」
 まったくもっての驚きです。私たちがそこで目にしたものは、この古典的な洋風の建物からは想像も付かない超未来的なものでした。壁には大きなスクリーンがあり、宇宙全体の画像が順次変わりながら映し出されています。そして10数台のデスクトップのパソコンが並んでいました。また横の部屋では大型高速コンピューターなのでしょう、シー、シーと軽やかな音を発し、作動していました。

「ここがグリーンスターの、四神倶楽部の秘密基地よ」
 魔鈴はそう口にして、パソコンを叩きました。するとどうでしょうか、地下都市の銀行のATMで現金を引き出そうとする覆面男がいきなり映し出されました。それを即座に解析ソフトに処理させたのでしょうか、瞬時にその男の氏名や履歴などが割り出されたのです。
「例えばね、今、この盗難事件が起ころうとしてるでしょ。この星を守るために、こそっとこの情報を当局に流すのよ」魔鈴が楽しそうに話します。

「だったら魔鈴さん、当局の方で、このような解析能力を上げればいいじゃん」
 悠太はこういう分野が好きで得意なんでしょう、首を突っ込み始めました。
「グリーンスターには、まだここまでの能力はないわ。それにね、私たちは周りに絶体侵入できないバリアーを張ってあってね、緑星人はこの情報元に入ってこれないの」

「へえ、そうなのか。これ、欲しいなあ」
 悠太が感心して、ついつい本音を出してしまいました。それに魔鈴は意外にもあっさりと、「このバリアー付き魔界王解析システムのソフト、必要ならすっかりコピーして、持ってってくれてもいいのよ」と言葉を繋げました。
 これを耳にした悠太はもう舞い上がってしまいました。そして、じっと私の方を見て、「どうしようか?」と目で尋ねてくるじゃありませんか。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊