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四神倶楽部物語

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「高瀬川龍斗様、グリーンスターの現地時計で午前8時となりました、お目覚め下さい。宇宙カプセルは順調に運航しておりますので、お昼前には到着いたします」
 ベッドの中にいた私は、こんなモーニングコールで目を醒ましました。どうも昨日のいろいろな初体験で疲れてしまったのでしょう、ぐっすりと寝込んだようです。その分、目覚めの気分は最高でした。

 私はベッドからすり降りて、モニター画面を見てみました。そこには暗闇の向こうで様々な星たちが流れ去って行ったり、突然大きな恒星が現れたりで、いずれもピューン、ビューンと飛んでました。
 ああ、これが宇宙旅行というものなんだ、と私は感慨深く見入ってしまいました。しかし、こんなことでいつまでも感心してる場合じゃありません。9時に集合し、レストランで朝食を取る約束をしてました。そこからバタバタと2日目の旅の準備に入り、そして時間となり、レストラン・ギャラクシーへと出向きました。

「おはよう、龍斗、眠れた?」
 ミッキッコから張りのある声で挨拶が。「ああ、熟睡だよ」と答えたら、横にいた佳那瑠が「私もバタンキューだったわ、だからお腹すいちゃった。さっ早く」と急かせます。
「じゃあ、みなさん、私に朝食クーポンをかして下さい。先に行って、席取ってきますから」
 悠太も随分と気が利くようになったものです。アッシー、メッシー、ミツグ君以外に、セキトリ君もこなせるようになったのかと感心しましたよ。

 朝食はバイキング方式。さすが何光年も旅する宇宙ペネトレート五つ星ホテル、その食べ物の種類は豊富でした。火の鳥のサニーサイドアップに始まり、一本角のユニコーンのBLT、ドラゴンミートのステーキサンドイッチ、そして月のウサギのポシェなどなど。私たちはすべて味わってみたかったです。

 しかし、ここはまだ旅の始まり、腹痛でも起こしたら大変と、ここは軽く鳳凰(ほうおう)の鳥そぼろ御飯で済ませました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊