小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

四神倶楽部物語

INDEX|133ページ/149ページ|

次のページ前のページ
 


 そんな時に、ミッキッコがタイミング良くサジェスチョンをしてくれました。
「ねえ龍斗、私たちの守り神の麒麟さんに訊いてみない」

 私はこれを聞いてポンと手を打ちました。そしてすぐに、「そうだ、みんな、守り玉を持って集まってくれ」と声を掛けました。他の佳那瑠も悠太も、今から何を始めようとしてるのか察知しました。早速、それぞれが守り玉を握り締め、前へと突きだし重ね合わせました。

 するとどうでしょうか、即座に麒麟さんが現れ出てきてくれたのです。私は単刀直入に訊きました。
「麒麟さん、御指導して下さい。どんな方法で、土蜘蛛星人の女王を退治したら良いのでしょうか?」
 麒麟さんはそれに対し、待ってましたとばかりに、「あんなあ、それ、簡単なこっちゃ。まず蜘蛛の巣で絡め捕りなはれ。へてから女王蜘蛛を水の底になあ、めっちゃ沈めたったらええんやで」と。

 私たちはこれを聞いて、ズルッとズッコケてしまいましたよ。
 その原因は麒麟さんが教示してくれた内容、それではなく、麒麟さんから初めて聞いたその語り口調に、そう、そのコテコテの関西弁にです。守り神ですから、もう少し格調高い言葉遣いかと思ってたのですが、まるで大阪のオッチャンですがな。

 そんな想定外の拍子抜けから立ち直るのに少し時間が掛かりましたが、気を引き締め直して、再度内容について「蜘蛛を蜘蛛の巣で絡め捕ることなんて、できるのですか?」と確認しました。
「そやで、あいつらはなあ、蜘蛛でも土蜘蛛やから、蜘蛛の糸に馴染みがないんや。うまいことやんなはれや。ほな、さいなら!」

 守り神の麒麟さんはそう告げて、そそくさと消えて行ってしまいました。それにしても、ホント逃げ足の速い守り神さまでした。しかし、私たちは麒麟さんが残していってくれた言葉からヒントを得て、土蜘蛛星人の親分、そう女王蜘蛛の抹殺計画をその日の内に練り上げました。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊