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四神倶楽部物語

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 本日地球へと帰還します。
 私たちは早めの朝食を終え、ロビーで魔鈴を待ちました。そして約束の時間通りに、妹の魔鈴が現れました。
 しかしその横にはミッキッコの兄の貴虎、佳那瑠の弟の鳳飛、悠太の姉の華武が一緒に付いて来てくれていました。

「おはよう、お兄さんたち」
 元気良い朝の挨拶が魔鈴からあり、リーダーである私は我がチームを代表して、「みなさん、おはようございます」とまず返し、「この旅行ではいろいろとお世話になり、本当にありがとうございました」とお礼を述べました。

 それにしてもホテルを出発するまでにはまだ充分時間があります。私はみなさんをコヒーショップへと誘い、一つのテーブルを囲みました。そこで私たちはしばらく旅の思い出などの雑談をし、その後頃合いを見計らって、私は口火を切りました。

「宿題でしたよね、私たちの四神倶楽部、それをどうして行くかの件ですが、約束通り、昨夜結論を出しました」
「そうですか、それは良かったですね。それでどのようになされるおつもりですか?」
 グリーンスターの四神倶楽部、そのリーダーの貴虎が早速興味津々に訊いてきました。
 これを受けて、私はまずミッキッコと佳那瑠、そして悠太の顔を見て、「いいな」と目で確認を取りました。みんなが「はい」と頷くのを私は確認し、その後ゆっくりと話しました。

「今回のグリーンスターへの旅、それは私たちの四神倶楽部の慰安旅行のつもりでした。だけど、この旅行中にいろいろと学ばせてもらって、また四神の末裔であるという重い責務も知りました。それで私たち四神倶楽部の日本での今後ですが、四神の本来のミッション、力およばずのところもあるかも知れませんが、――、日本を守って行こうと結論致しました」

 私のここまでの決意表明、みんなは身じろぎもせずにじっと聞いていてくれました。そして、しばらくの沈黙の後、魔鈴が「お兄さん、ありがとう」としみじみと言葉を漏らしました。魔鈴はよほど嬉しかったのでしょう、あとはポロポロと涙が……。


作品名:四神倶楽部物語 作家名:鮎風 遊