小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

しばたはつみ 私の彼  より

INDEX|2ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

『私の彼』     訳詩 なかにし礼

背の高さも 歩き方も背広も
私の趣味じゃないけど 愛しているわ

男としてはうれしい限りです。そう、男は外見じゃないのですといいたくなる。うちも私より嫁さんのほうが背が高いからこれは身にしみますね。
この背広というのも当時らしくていいではないですか、スーツとは言わず背広。英国セビル ローが語源ともいわれるこの背広、今と違い2セット数万円というものでなく、当然英国生地、ロイヤルワラントのオーダーメードのことなんでしょう。中にはイタリアデザインというのも有ったでしょうかそれを着て、背筋をピンと伸ばし颯爽と歩くことなく、しわしわのジャケットでポケットに手を突っ込んで少し前かがみで歩いても愛してくれるから、これはまことにいいですね。

車もない お金もない 力もない
いい男でもないけど 愛しているわ

車も無いとまず一番に出るところが当時のステータスらしく感じます。お金が無ければ当然車は無いでしょうが、当時ですから車は女性心を掴むには必須アイテムで、この場合流れとして車は真っ赤なコスモでしょう。それともポルシェ911、ジャガーXJ6でしょうかね?いえいえ、ケンとメリーのスカイラインかもしれませんがそれが無くてもいい、力こぶだけではなく、政治、経済の実力者や会社経営者でなくてもいいし、アランドランのような顔立ちでなくてもいいんですよ、なんと嬉しいことでしょう。あなたにも十分チャンスがありますと教えてくれています。このような女性に出合えるだけでありがたい、結構こういう女性に限ってクールビューティーだったりするんじゃないかと妄想し近づくと、マングースに近づくハブのごとく一撃されるので怖くて近づけませんね。