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短編集 1

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 その言葉に、二言で賛成した。この男の価値観がどれほどのものなのか、気になるということもあるから。しかし、先導して行った奴が案内した先は路地裏。店は見えないが、と言った瞬間に首を掴まれ物凄い勢いで力が入るのがわかった。
 ああ、このためにこいつは路地裏に連れてきたのか。べたな展開に、殺されかけているというのに変に冷静な考えをしてしまう。殺される側の人間の立場は初めてだけれど、これほど冷静でいられるものなのか。


「ぎゃぁ」


 しかし、自称とはいえ人殺しと会うのに何も用意していないとでも思っていたのだろうか。ズボンのポケットから取り出したスタンガンを相手の足に当てて、スイッチを押す。何度も聞いたバチッという電流の流れを聞くと、首に込められていた力がすぐになくなり、大きな音を立てて男は倒れた。普通の護身用のスタンガンでは人を殺すことはできないけれど、改造した物なら話は別になる。遊ぶように手や足、首に当てていく。今回は計画も何も立てていないため、足取りが着くかもしれないが、それはそれで仕方がないだろう。
 こんな男のせいで捕まるのは些(イササ)か気分が悪いが。
 最後に虫の息となっている男の左胸に、一番強力な電流を流すと男は動かなくなった。
人を殺すのはいつだって簡単にできることで、殺さずにいられる人間の理性は余程強力なものだと俺は思う。
 心臓を叩けば死んで、手首を切っても死んで、首の骨を折っても死んで、ウイルスが体内に入っても死んで、水の中に入っても死んで、毒草を食べても死んで、虫に刺されても死んで、頭が潰れても死んで、息ができなくなっても死んで、排泄することができなくなっても死んで、電流が流れても死ぬ。
 何をしたら死なないのだろうと、逆に考えてしまうほど。それほど人間に用意された死ぬためのメニューは多いのだ。理性がなければ、憎悪や憤怒など殺害に繋がる感情を持つこともなかったのに。とさえ思ってしまう。











俺もまたその人間の一人。
お前もまたその人間の一人。










――――――――――…人生で唯一の失態END(20110916)
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作品名:短編集 1 作家名:海山遊歩