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I have a dream

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 彼は今の生活を変えることが出来なかった。夢といいながら今のままの生活でそれが掴めたらいいなとほのかな憧れをもつ。どうして今の考え方、生活にしがみ付き変えようとしないのだろう?あなたはいつも仕事では考え行動を変えろと言っているではないか。そう考えるとなんと彼も会社もそして自分も小さく、今こうやって会社に勤め仕事していることがばかばかしくなった。

 当時単身赴任だった私を会社はそれを認めず妻を辞めさせ一緒に生活しろといわれた。年収も安定性も私より妻のほうがいい。実を取るか名を取るかの選択になると迷わず実をとり、なんと言われようが私は単身赴任を続けていた。そんな折に聞いたこの上司の夢。
 実績を出せば出世して一生単身赴任、いやな上司とも顔を合わす・・・それが見えてしまい、馬鹿馬鹿しくなりそれから少しして私は会社を辞めた。それから翌年、プータローをしながら中古ヨットを購入し沖縄単独航海に出かけた。「なにも沖縄でなくても」と仲間は言い、嫁さんは無言で反対したが何かに呼ばれるように沖縄へ向かう。それまで単独で遠くへ行ったことのない私は当初不安だったが、美しい空と海、水平線に沈む夕日を見、小さなトラブルもあったもののどうってこと無い航海を終えると、ゼロから行うことの大切さ、やりきったときの自信はそれまでの人生観を大きく変えるものとなった。勿論嫁さんのおかげでできたことだ。
 その翌年、借家を探していたが、家賃を考えると建てたほうがいいと一戸建てを建てた。
「夢は一戸建てと釣のボート」彼の目指していた物がどれほどのものかは知らないがプータローしながらそれを持ってしまった。
今もその家で暮らし、あの上司はなぜ希望ではなくもっと大きな夢を語ってくれなかったのだろうと思う。
「夢か、そうだな、さっさと会社辞めて、アフリカでも行って井戸を掘りたいな」
そうでも答えてくれたら、きっとこの上司についていこうと私は考えたことだろう。

 ネット社会、情報社会といわれなんでも簡単に情報が入手できるこの世の中。
実はその情報に惑わされ大きなものが見えなくなっているように思えて仕方ない。目先のことにとらわれずもっと先のものをつかむため今なにをするか考えれば、国だ社会だと理由付けすることは無いと思う。人間やればたいていのことは出来るのだ。

 じゃあお前の夢はなにかと聞かれれば「137億光年、その先へいって宇宙の先端に立つこと」と答える。夢は見るもの希望はかなえるものなのだ。
 希望はと問われると、「地域おこしのイベントが出来き、それが映画になること」だ。
その為それを知ってもらおうとその小説を書いて、提案もしている。でも突き詰めれば簡単なことでつまり映画であっても事業であっても10億もあれば出来るだろう。問題はその金を集められるかどうかだけ。
 もしエネルギーに満ち溢れ宇宙のムラの濃いところにそれがあれば、光だし星になるであろう。それまで出来ることをやるしかないのだ。核に求心力があれば金も自然と寄ってくる。無ければ何も集まらない。慌てても仕方なく今やれることを今やり、それを続けるのみ。

その先は誰も分からないのだから。



作品名:I have a dream 作家名:のすひろ