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誓いの言葉

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 健やかなるときも
 病めるときも
 
 喜びのときも
 悲しみのときも
 
 富めるときも
 貧しきときも
 
 これを愛し
 これを敬い

 これを慰め
 これを助け

 死が二人を分かつまで
 ともに生きることを誓いますか?


 キリスト教会で行なわれる結婚式で用いられる(伝統的な)「誓いの言葉」だ。
 面白いことに、離婚率の増加を考慮して「死が二人を分かつまで」の部分を「二人が共にいる限り」などと言葉を変えて、二人だけの「オリジナルの誓いの言葉」を使う(現実的な?)カップルも増えている。

 長い歳月をかけて磨き上げられた「誓詞」。
 恋愛に対する認識が多様化する中で、理想の恋愛像を提示している(根源的ともいえる)言葉だ。
 お互いを大切に思いながら生きてくことができたら、きっと幸せな人生を送れることだろう。
 でも時間は残酷だ。
 生活に追われる毎日に、相手への優しい思いを忘れている人も多い。
 「二人が出会ったきっかけ」「最初のデートコース」「初めてキスした場所」「最初の大喧嘩の原因」……。
 もう一度、思い出してみるといい。
 記憶の宝石箱を開けると、『二人の幸せな思い出』がキラキラと輝きを放ちながらギッシリと詰まっているはずだ。
 そのことを思い出せたなら、今よりもっと穏やかな優しい気持ちで相手を見ることができる。
 
 これから恋愛を始める人は、いま手元に空の宝石箱を持っている。
 その中に、二人で一緒に「玉石混淆の宝石」を詰め込みながら生きていくわけだ。
 「悲しいこと」も「美しいこと」も「汚いこと」も「優しいこと」も、いつかはすべてが二人だけの宝石に生まれ変わる。
 その宝石は、二人が死ぬまで輝き続ける。
 心の中でキラキラ輝き続ける。
 
作品名:誓いの言葉 作家名:ひで丸