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So Wonderful Day

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 最初と二番目の元妻達にも、ジェフリーは誕生日プレゼントを毎年欠かさず贈った。もともと恋人や配偶者に対して真摯な性質なのである。苦労して休みを取り、シッターを手配して二人きりでディナー付のデートに出かけた。ただデートに関して言えば次第に誕生日当日は無理になり、毎年と言う概念からは外れた。年を経るに従い、誕生月は覚えていても日は忘れがちになる。三番目と四番目の元妻達に至っては仕事優先で、プレゼントを贈るだけの慣例行事と化していた。「家族より仕事が大事なの?」と言って去ったのは、何番目の妻だったろうか。
――それはともかく。
 ジェフリーは捨て台詞を吐いた三番目だか四番目だかの元妻の顔を、脳の片隅に追いやった。
――誕生日プレゼントだ。
 誕生日プレゼントにここまで右往左往することは、かつてなかったことだ。老いらくの恋はとかく激しいと聞くが、よもや同性相手にそれを実感することになろうとは。ジェフリーは深くため息をついた。

作品名:So Wonderful Day 作家名:紙森けい