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わて犯人

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第六話 ノースウィンドアンドベアー


次の日、トム達は北極にいた。
「ふぅ、やっぱ北極は涼しいなー」
「ケイティはんはアザラシ並みに脂肪蓄えてはるさかい、そない全裸でも大丈夫かも知れへんけど、わては寒くてかないまへんわ。さっさとプースを捕まえてこんなとこおさらばしまひょ。」
「ああ、そうだな。ん?向こうから何かやって来るぞ?」
ケイティの見つめる先には確かに2つの大きな影があった
「あれは・・・ホッキョクグマでっせ!!襲われる前に逃げまひょ!」
「確かにそうだが、敵意は感じられないぞ。」
「何けったいなこと言うてまんねん!ほんまに食われまっせ!!うわぁ!近づいて来よった!あかんてあかんてあかんてあかんてあかんてあかんてあかんてあか」
「お待ちしておりました。ケイティ様、そしてトム様。」
「あかんてあかんてあかんt・・・へ?熊が喋った?」
「驚かせてしまってすみません。わたくし、フジモトムの友人の熊田熊左衛門(くまだくまざえもん)と申します。北極の案内を任されました。こっちは私の娘の熊子(くまこ)です。」
熊左衛門はもう一匹の熊を指さした。
「熊子どす。よろしゅうね。ケイティ様、トム様。」
「ふん、フジモトムの奴、人間の友達が少ないからといって動物に手を伸ばすとは、哀れな奴だな。まあおかげで捜査が楽に行えそうだ。」
「熊子はんはえらいべっぴんさんやな~。こちらこそよろしゅうな~。」
トムは鼻の下を伸ばしまくっていた。

「私どもの調べによりますとプースは氷山県の郡山市に潜んでいると思われます。ここからそう遠くありません。急ぎましょう。」
「ああ」

~二秒後~

「本当に近かったな。」
「そうでんな~案内必要やったんかいな?」
「どうやらあのビルをアジトにしているようです。私たちホッキョクグマは他の人間に見つかると撃たれてしまうので、申し訳ありませんがここで失礼しますね。」
「えー?熊子はんも行ってまうん?残念やわぁ。」
「えらいすんまへん。トム様。わて、熊本県でホステスやってますさかい、また会いに来ておくれやす。」
熊子は名刺をトムに渡すと熊左衛門と共に去って行った。
「ありがとうな熊子はん。絶対行くわな。」
トムは名刺を大事そうにパンツにしまった
「さて、突入するぞ。準備はいいか?今更怖気づいてないよな?」
「当たり前でっしゃろ!」

二人は音もなくビルに突入して行った。

作品名:わて犯人 作家名:熊田熊子