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超短編小説  108物語集(継続中)

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 これは世紀の大発見だと言える。
 自分があの世へと召される年齢を知ることが可能だ。さらに、その後の天国で、誰と暮らすかもわかる。
 その認識方法を博士が発見した。
 
 それは特に学問的なことではない。
 要は、高解像度のテレビモニターを自分の横に配置し、チャンネル『1059』にセットする。そして前面からモニターごと自分の姿をカメラで撮影する。その映像をモニターに送ると、モニター画面には己(おのれ)の姿と、その横にあるモニターが映し出される。

 その画面内のモニターを覗いてみると、そこにはまた己の姿とモニター画面がある。さらにそのモニターにある映像を見てみると、自分の姿とモニターがあり、そしてまたまたそのモニター映像に……。
 それはいくつものドアーを開けて、まるで奥へ奥へと入って行くかのように際限なく続く。

 しかし、最近まではこの秘密のチャンネル『1059』の存在は知られていなかった。また解像度も低かったし、かつ画像拡大機能が不充分であった。そのため、少し奥へと進んだ段階でピンぼけ状態となった。これにより自分の姿を精度良く視覚認識できなかった。

 だが、花形博士はここに技術を集中させ、モニター画面を1つ1つ開けて、奥の世界にいる自分を緻密に調査した。するとどうだろうか、奥へと進むにしたがって、今の自分の容貌が微妙に違って行ってるではないか。いや、もう少し正確に言えば、確実に老けた自分がそこにいたのだ。

 花形博士はチャンネル『1059』で、15のモニター映像まで進入した。そしてそれを拡大したら、「おっとっとー」と、おったまげた。
 黄金の蓮の花が一面に咲く水辺に自分が立っているのだ。そして思った、ここが多分天国なのだろうと。
 さらに20のモニター画面まで進むと、なんと1人の女性が寄り添っているではないか。微細に確認すると、それは妻ではない。密かに想いを寄せる助手の光子だった。

 この瞬間に博士はハッと気づく。
 1つ1つモニター画像の奥へと入って行くことにより、そこには1年1年歳を重ねた自分がいる。そして15年目に……、天上界へと。さらにその5年後に、光子があの世で連れ合いになってくれている、と確認できた。不埒(ふらち)なことだが、ちょっと嬉しい。