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超短編小説  108物語集(継続中)

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「なによ、これ! ホント勝手なことを書いてくれるわね」
 百目鬼のデスクにツカツカとやって来て、夕刊紙をバンと置いた芹凛、黒髪を束ねた頭から湯気が立ち上ってるようだ。

「おいおいお嬢さん、そうカッカなさんなよ。で、芹凛の勘はこの記事と、どこが違うんだ?」
 さすが百戦錬磨の百目鬼、部下の怒りを抑え、反対に質問を投げ付ける。芹凛は上司といえども負けていない、それを受け、「燻屋は危険な路地裏に付いて行き、一突きで殺されたのよ。本件は恨み以上に、もっと深い思惑がある、知り合いの計画的犯行だわ」と断言した。
 百目鬼も同感だ。「よっしゃ、銀次郎の周りを徹底的に当たってみよう」と方針を固めた。

 それから三日が経過した。聞き込みから戻った芹凛がしばらくして百目鬼に「コーヒーでも入れましょうか」と窺う。
 百目鬼にはわかってる、芹凛に大まかな推理がまとまったのだと。
「さあ、話してみろ」と促すと、芹凛はマグカップを差し出しながらとうとうと述べ始める。その内容とは。