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超短編小説  108物語集(継続中)

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 されども、さそり座星人ですよ。どんな生物でしょうか? 私は居ても立ってもいられず、格納庫に潜り込み、「Is anyone there?」(誰かいますか?)と機体を叩きました。するとどうでしょうか、日本語で「いますよ」と返事があり、あとは「初めまして」と挨拶しながらギャルが……、いや、私の妹が現れ出て来たのです。

「お前こんな所で何してんだよ?」
 私が問い詰めると、反対に「お兄ちゃんこそ」と怪訝な顔をするじゃありませんか。こうなれば会話を尽くし、この事態を理解するしかありません。

 そして判明したことは……、
 かって人類はさそり座の惑星から地球に移住してきました。その元の惑星には私の家族と酷似した家族がいます。ただ途轍もなく高度に発達していて、今回さそり座の妹は友達と一緒に、スコーピア・グリーゼ・667C機を自分たちで操縦し、日本に観光にやって来たそうです。
 そして目的は、旅行ガイドブックに載ってるように、お寿司と苺スイーツ食べて、温泉に浸かり富士山見て、祇園では舞妓さん体験してみた〜い、だって。

 こんな女子願望に、お土産はと訊くと、炊飯器に便座、そして爪切りに化粧品、とにかく爆買いしたいとか。
「おいおい、君らは大陸の人か?」
 私が思わずこう尋ねてしまうと、「私たちは大声で喋らないし、列にも並ぶわ、すごく上品よ」と妹はすまし顔でした。

 しかし、こんな奇怪な出会いであっても、成長戦略の目玉の観光です。私は政府から特命を受け、さそり座からの訪問者を案内致しました。
 滞在は10日間でしたが、我々のおもてなしに妹たちは大満足。そして秘密裏に羽田空港から宇宙へと飛び立って行きました。
 あとはお礼にと、我が日本国に、スコーピア・グリーゼ・667Cの惑星一つをプレゼントしてくれました。

 妹のマル秘情報によれば、ここには金銀プラチナが無尽蔵に眠ってるそうです。
 てなことで、私もアベノミクスにちょっぴり貢献できた、と言えますよね。