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超短編小説  108物語集(継続中)

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 神は時として、むご過ぎる夫婦の縁を結ばせてしまうものだ。
 ここに凛太郎(りんたろう)と光輝(こうき)、そしてラリと綾音(あやね)という男女四人がいた。大手企業に入社し、同期として出会ってしまった。

 凛太郎は体育会系、ガッツがあり、なかなかの好青年だ。ただ野心家で、もちろん社長になることが夢だった。
 一方、光輝は男にしては色白、少しひ弱に見える。だが、その分人を押しのけてという印象はなく、ペットにしてみたいような男だった。
 そしてラリはスラリと背が高い。目がくりっとして、いかにも都会的なセンスを持ち合わせたレディ。何につけても割り切りが早く、とにかく未来に向かって歩き出すことが好みのようだった。
 そんなラリに比べ綾音は、思考もコンサーバティブな女性、何事もじっと待つタイプだった。言い換えれば、この中では一番しぶとい性格だったのかも知れない。

 これほど多彩な男女が同じフロアで一緒に働き始めたのだから、何が起こってもおかしくない。きっと神も、高みの見物と決め込んでいたとしても、興味津々であったことには間違いないだろう。