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俺に言わせろ!その19

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第19話:醜い資本家主義

 はぁ~もうあの予算委員会を見ていると嫌になってくる。
不貞不貞しいあの態度と言い、反省するどころかとことん国会を舐めたあの姿勢と言い、
幾ら何でも許される物じゃあない、もし俺があの場にいたなら即殴り殺しているだろう?
まあ出来ない事を言っても仕方ないので、こうなった原因を考える。

 そもそも彼らは何故、こうも日本を売りたがるのか?
アメリカは何故こうも日本人の財産を欲しがるのか?
その点について出来る範囲で考察してみた。

 まず、アメリカ的資本主義(これを本当の資本主義とは呼ばない、
資本家主義と言い、マルクスの資本論とは似て異なる物だ)の特性と、
その考え方について少しおさらいしておこう。

 マルクスの資本論とは、我々労働者は労働力を提供し、その代価として賃金を得る。
そして資本家は労働者から労働力を買い取る事で、仕事を回し、利益を得る。
これが基本的資本主義であり、資本家と労働者は対等な立場でなければならない。

 一方、アメリカの資本家主義とは、基本的には資本主義と構造は同じである。
ただし、資本家と労働者は対等ではなく、常に資本家が優位であり、
労働者が逆らう事は許されない。
労働者はあくまでも「使われる物」であり、安く労働力を提供しなければならない。
資本家は、一定の投資をしたらその何倍もの利益を上げなければならない。
資本家にとって労働者は、奴隷の次位の存在でしかないのだ。
こう言う考え方は元々アメリカが奴隷主義の国だった事の名残であり、
未だにそれを引きずっているからだ。
資本主義では労働者にそれなりの利益の還元があるが、
資本家主義では利益は全て資本家の物という考え方である。
ここが大きな違いだろう?

 この考え方の違いが、勝ち組・負け組という言葉を生み出した。
そしてその勝ち組・負け組という考え方を日本に浸透させていったのだ。
勝ち組=資本家と考えればいいだろう?

 以上の考え方をふまえた上で、
何故アメリカが其処まで日本人の財産に拘るのか?それを考えてみた。
答えは簡単、奴らも金がないからだ。

 この9月にアメリカは巨額の追加予算措置を執る事でデフォルトを回避している。
裏を返せばそうしなければもう金がないのだ。
では何故金が無くなったのか?

 一つは、その有り余る軍事力が足を引っ張っている事、
ベトナム戦争以降、アメリカは増大する巨額の戦費に喘いでいる。
そして、その戦争の成果はこれと言って上がっていない。
戦後復興の利益が上がっていないのだ。

 加えて、アメリカ国内のマネーゲームが止まらないという現象が続いている。
先ほど書いた「勝ち組」になりたい連中がその欲望を暴走させたためである。
彼らは手っ取り早く勝ち組になる為に、マネーゲームに金をどんどんつぎ込んでしまう。
そのマネーゲームは政府がどんなに警告した所で止まる事はなく、
どんどん暴走した。その結果がリーマンブラザースの倒産である。
更に、その負けを取り返す為に考え出されたサブプライムローンも弾けた。
そりゃ、あんな詐欺みたいなやり方じゃあすぐに破綻するのは目に見えていた。

 そして、その裏にはユダ金の存在が見え隠れしている。
実はユダ金自体金がないのだ、度重なる戦費の恩恵が入ってこない上、
更に度重なる経済政策の失敗が彼らを追い詰めているからだ。

 ユダ金の金の出本は武器商人だ、戦争になる度利益を上げてきた。
しかし、その戦争につぎ込む金さえないアメリカ政府は、付けで武器を買うようになった。
それがいけなかった。その付けさえ払えなくなった。
こうなるとユダ金は金の回収が出来なくなる。当たり前の事だ。

 今アメリカ政府やユダ金傘下の会社は、何としても資金を回収する必要に迫られている。
だから日本に眠る巨額の資金を引き出したがっているのだ。
恐らく彼らはなりふり構わず資金の回収に来るだろう?
理不尽な訴訟を起こして、巨額の賠償金を要求するとか、日本は株価配当が低い事から、
株価配当をもっと上げろとか、ありとあらゆる方法で金を要求してくる。
まあ、一番狙われているのは我々の郵貯、保険、年金の三つだけどね。

 彼らはその巨額の資金を引き出す為に、金をばらまいて居るんだ。
政治家、マスコミなどに約10兆円ほどバラ撒いたのは儲ける為の投資でしかないのだ。
そして、そのばらまかれた金欲しさに餌に群がる豚たち、
それが政治家、官僚、マスコミという図式になっている。
浅ましい豚たちは、自分達が餌に釣られようとそれがどんな結果をもたらそうと、
そんな事は全く関係ないのである。

 更にTPPに関心を示している国、オーストラリア・ニュージーランド・カナダは、
これをビジネスチャンスと捕らえた。
しかし、慎重に様子を見ながら彼らは商売を仕掛けるだろう。

 更に、興味を示している中国・ロシア、この二つの巨大資本が流れ込んだ時、
アメリカでは勝ち目がない、結局アメリカは破綻するしかないのである。
もしTPPが成ったとして勝ち抜けるのは中国だけだと思う。
特に日本は世界を巻き込んで経済恐慌を引き起こし、アメリカと共に共倒れするしかない。

 逆にこのTPPが始めから成らなかったとしてもアメリカは経済破綻する。
タイムリミットは2年ぐらいしかない。

 だからアメリカも焦っているのだ。
その証拠に、中国・東南アジアに睨みを利かせるという名目の元に、
オーストラリアに突然海兵隊を進駐させた。
裏はオーストラリアとニュージーランドに圧力を掛ける為である。
アメリカの強盗主義的なやり方だ。

 結局、アメリカの金の無さがこういう事態を生んでいるのだ。
そしてこの事態を回避するにはアメリカの経済を立て直さない限り無理なのだが、
アメリカは頑なに経済構造を変える事を拒否するだろう?
だから日本が離脱し、TPPを叩き潰すしかない。

 多分、アメリカが財政再建団体になれば、かなりの被害を被るだろう?
しかし、それがアメリカの経済構造を立て直すチャンスでもあるのだ。
その時、指導力を発揮するのは日本という事になる。
日本はこれだけ不況が続いても潰れない経済構造をしているのだから、
日本の手法を世界に浸透させるチャンスにも成る。

 では、今日の有り難いお言葉である。

「私は醜い男である。
しかし、私は自分のために最も美しい女性を買うことができる。
だから、私は醜くない。
と言うのも、醜さの作用、
人をしてぞっとさせるその力は貨幣によって無効にされているからだ」

 カール・マルクス
作品名:俺に言わせろ!その19 作家名:酔仙