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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第十四話

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「やっぱり・・・夢を見ていたんだわ。でもあんな現実的な夢、今でも信じられない・・・」

まどかは何度も何度も自分にそう言い聞かそうとしたがどんどん鮮明になってゆく藤次郎や藤子、藤一郎、秀次郎の顔が焼きついて離れない。涙が後から後から噴出して顔が腫れてしまった。
母親が心配して尋ねた。

「まどか・・・夢を見ていたのね。辛い夢だったの?お母さんに話してくれない?」

「夢じゃないの・・・絶対に夢じゃない!」

「そう思えるほどはっきりと記憶しているのね、可哀そうに・・・」

「お母さん、夢じゃないの、信じて!」

「信じたいけどあなたは一日だけしか寝ていなかったのよ。どれほどの夢か知らないけど、一日だけの時間しか経ってないのよ。それだけは覚えておいてね」

「一日だけ・・・夢の中では20年以上が過ぎていたの。私には夫と子供達が三人いたの。そして孫も」

「そう!素敵じゃない。幸せな結婚生活を送っていた夢だったのね」

「そうかも知れないけど・・・おなか痛めて赤ちゃん生んだのよ。はっきりと覚えているの・・・それに夫とも昨夜愛し合っていたし・・・」

「ませた子ね!まだ中学生なのに・・・お父さんが聞いたら卒倒するわよ!内緒にしておきなさいね」

「お母さん!信じて・・・まどかは成長して大人になって恋をして結婚して子供を生んだの・・・」

「これから同じようにそうなるわよ。お母さんだって同じだったんだから。好きな人が現れて恋をして結婚して子供を生むの。女はそうすることが幸せなのよ、一番」

「うん・・・まどかは・・・幸せだった」

「今も幸せよ。決して夢の中のことを忘れずにこれから生きてゆきなさい。きっとまどかへの神様からのお告げだったのよ。感謝しなきゃね」

「お告げ?神様からの?・・・そうだったのかしら」

まどかは母親の言うことを少し納得しながら聞いていた。