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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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行間・とある土曜の1



土曜日、俺は小鳩と一緒に買い物に出かける事にした。
学園都市に引っ越す際に、小鳩の服を全て持って来れなかったので
普段着はともかく外行きの服が足りなくなった、というのだ。

小鳩はそもそもいつも似たようなゴスロリ系の服ばかり着ているので
数着だけでも問題ないだろうと、小鳩の荷物を無理矢理減らさせたお陰で
小鳩は未だにそれを根に持っているような気がする。
だいたい学園都市への引っ越しには学生一人当たり2トントラック半分の
パッケージだけが割り当てられ、それは兄妹ですら例外ではなかった。
従って俺も小鳩も、とにかく荷物を減らしてしまったので
引っ越した後であれこれと足りない物を買い足さないといけなかったのだ。



目当ての店は、第七学区にある「Seventh Mist」という
総合ショッピングビルの中にあった。
(学園都市内での)最新の流行を取り入れた高級そうなブティックが
フロア中を所狭しと立ち並び、その間を常盤台学園や霧が丘女子などの
いかにもハイソな女子学生達が闊歩している。
とてもじゃないが俺のような非リア充には縁が遠い所だ。
だが小鳩は何度か行った事があるらしく、目当ての店をすぐに探し当てていた。

「あんちゃ・・・クックック、我が半身よ。
 我はこのローブと、このリボン付きカチューシャと、えっと・・・」
「小鳩、あまり慌てなくても大丈夫だよ。ゆっくり探しな」
「う・・・うん!」

小鳩に物色させている間、俺は一度店の外に出て
他に何か興味をそそる物は無いか見回してみた。
ひょっとしたら他のフロアに、調理器具の専門店があるかも知れない。
果たせるかな、すぐ近くの柱に各フロアの案内地図が表示されているので
さっそく見に行く事にした。

案内地図は、例によってタッチパネル式の電子表示だったので
他のフロア表示に触れてそのフロアを拡大しようと、手を伸ばした瞬間
「っテェなァ!」
いつの間にか隣に居た男の、同じく伸ばした手に当たってしまった。
「・・・アァ?何だってンだガン見してンじゃねェ!」
その人物の風体があまりにも不思議だったので思わずジト見してしまったのだが
何しろ髪も皮膚も病的なまでに白くて痩せているが、目は熱を持ったように赤い。
しかも首にはチョーカーをしていてそこから頭に向かってコードが伸びている。
それにやたらと近代的な杖をついていた。
「あ・・・いえ、っすすみませんでしたぁあ!」
その男の迫力に、俺のハッタリも何も通用しない事を悟った俺は即座に謝る。
「なンだテメェ・・・イイ目してンじゃァねェか」
「は、はい!?」
「おィてめェ・・・こンくらいの背丈した茶髪のガキを見なかったか?」
と、男は杖をついていない手をみぞおちくらいの高さに掲げた。
「い、いえ、見ませんでしたが」
「そォか・・・じゃあな」
そう言うと男は、杖をついてぎこちなく歩きながら去って行った。
「何だアイツは・・・?」

小鳩がいる店に戻ると、小鳩が見た事の無い女の子と一緒に居るのが見えた。
なぜか小鳩の着ている服(例によってゴスロリ)に
その女の子が異常な興味を示している。

「ねぇねぇそれってゴシックロリータだよね!ミサカもこういうの
 一度着てみたいから、どういうのをセレクトしたら良いのか教えてって
 ミサカはミサカは貴方のセンスに驚愕しながら訊ねてみる!」
どうやら女の子は小鳩の事をブティックの店員だと勘違いしているらしい。
「あぅ・・・あ、あんちゃん・・・」
小鳩はその女の子のはしゃぎっぷりに完全に気圧されてしまっているようだ。
しょうがないので俺がフォローを入れておこう。
「小鳩、買いたい服が見つかったか?」
「あ、あんちゃん!み、見つけたばい!」
するとその女の子は一瞬きょとんとした目を俺と小鳩に向けると
「ご、ごめんなさい!てっきりミサカは貴方の事を店員さんかと思ってましたって
 ミサカはミサカは恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら謝ってみる!」

「まあ気にしないでいいよ。ちなみに店員さんはあっちに居ると思うけど」
女の子は、顔を上げてぱあっと明るい表情を浮かべると
「ありがとうってミサカはミサカは感謝してみる!
 あと、貴方はやっぱり服のセンスが素敵なのでお友達になりたいかも、って
 ミサカはミサカは恥ずかしながらオファーしてみる!」
思わぬ女の子の申し出に、小鳩のみならず俺もなぜかドキっとしてしまった。
「ほ、ほら小鳩。どうする?」
得難い申し出だけど、小鳩は中二病だからなぁ・・・と思っていたが
「クックック・・・我の眷属に加わるという殊勝な心がけグゲェ!?」
「小鳩、いい加減普通に喋れ」小鳩の頭をどつきながら訂正を促す。
「う、うん・・・ええよ」

「いやったー!ってミサカはミサカは初めて同じ位の年格好の女の子と
 友達になれたー!って歓喜してみる!
 でも本当はミサカの実年齢は1年に満たないんだけど肉体設定年齢に
 合わせて10歳くらいの女の子で満足してみる、ってミサカはミサカは
 嬉しさのあまりミサカネットワークに速報を流してみる!」
肉体設定年齢?ミサカネットワーク?何を言っているんだろうこの女の子は。
まあ小鳩と同じ中二病設定なのかと思い直したが、今度は別の言葉が気になった。
「じゅ、10歳て・・・?」小鳩もやっぱり気付いたか。
「あれ?ま、まさか貴方の年齢は10歳じゃないの?じゃあもしかして9歳?
 ってミサカはミサカは推測を訂正してみる!」
おい、歳が下がったぞ。
見ると小鳩はもう泣き出す寸前の表情になっている。
そんな事だからますます年相応に見られないんだろうが・・・

「んーと、小鳩は中学二年なんだけど・・・」
下唇を咬んで全身を震わせている小鳩の代わりに一応答えておく。
「え、えええええ・・・っ!
 はぅ、ごめんなさいごめんなさい!!!」
真実を知ったその女の子は、やはり半泣きになりながら
頭をペコペコさせて謝った。
「あーいいよ、気にすんなよ。小鳩ももう許してやれ」
俺は小鳩に手を差し出すよう促すと、小鳩はまだ目をウルウルさせながらも
手をすっと女の子の方に差し出した。
「・・・フン、わ、我はそのような些事には動じないのじゃ」
「・・・許してくれてありがとうってミサカはミサカはホッとしてみる」
二人ともそう言いつつ、微笑みながら握手した。

「それで、貴様の名は何と言うのじゃ?」
「あっ、そういえばそんな大事な事を先に言ってなかったねって
 ミサカはミサカはちょっと恥ずかしくなってみる。
 ミサカの名前は打ち止め(ラストオーダー)って言うんだよって
 ミサカはミサカは自分の名前が変じゃないと確信を持ちつつも言ってみる!」
その名前に、俺も小鳩も目を丸くしてみるも、まあ学園都市じゃあ
何だか何でもありなのかなと思い直してみた。

「打ち止めーーー!!!
 さァがしたぞォ!!!そこにいやがったのか!」
いきなり背後から怒号が聞こえたので振り返ると
そこに、先程案内地図の前で出くわした男が立っていた。
「おィ・・・テメェは前に柱で会ったヤツだよなァ・・・
 やっぱりテメェが打ち止めを拉致ってやがったのかァーーー!」
「うゔぇぇ!?ち、違うんd」