二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

INDEX|4ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

能力開発・幸村



あくる週も、俺達は普通の授業に交えて「時間割り」に沿った
能力開発の授業を引き続き受ける事になった。
というかこれが卒業まで続くわけだが・・・
俺や夜空を含めた、クラスの全員がこれといって能力が発現する兆しも無く
段々やる気が失せてくるのだった。

結局放課後になり、徒労感に包まれながら俺達は部室に向かう。
「あにき、夜空のあねご、おつとめごくろうさまです!」
部室に入るなり、幸村が勢いよく挨拶した。
何だか幸村は顔が高揚しているように見える。

「ああ。どうしたんだ、何かあったのか幸村?」
「はい、わたくしめのくらすでは今週からそうちに掛かりました。
 その後、かりきゅらむを受けましたらば・・・その・・・」
「何だ幸村、武士ならばはっきり言え」夜空も幸村の態度に訝しんだ。
「わ、わたくしにも、ついにのうりょくが芽生えましてございます!」
「「何!?」」
またしても俺達はハモってしまった。

「はい!先生のお話だと、わたくしはれべる4相当ということです」
「そ、それで幸村はどんな能力が芽生えたんだ!?」

「はい・・・それでは、このこっぷに水をそそぎます。
 お味をおたしかめください。たしかに水だとおもいますが」
「ああ、確かに水だ。これをどうするんだ?」
「はい。それではいきます」
と、幸村は水の入ったコップに手を触れた。

すると、何と一瞬にして水が黄色くなった。

「水をおれんじじゅーすに変えてみました。お味をおたしかめください」
少し手が震えながらも恐る恐る俺はコップに口をつける。
「んな!?確かにオレンジジュースだぞこれ!」

「はい、先生のお話では、ぶっしつを自由に作りかえられる
 のうりょくだとのことです」幸村は驚く俺を見て嬉しそうだ。
「先生はこののうりょくを「物質変成(トランスマテリアル)」となづけました」

「・・・ふん、それだけか幸村。随分ショボい能力じゃないか」
なぜか夜空は、部室にあるベージュ色のソファに座りながら尊大に言う。
「はい、夜空のあねご。たしかにわたくしめののうりょくは
 戦いのばめんにて使える用途はかぎられるかもしれません」

いや幸村、お前いつ誰と戦うんだよ。

「それでもあにきのようにたたかう武士をささえるために、いろいろと
 ごほうしできるよう、こののうりょくを使うしょぞんです。
 たとえば、夜空のあねごがいま座っているそふぁですが・・・」

そういえばこんな所にソファなんてあったっけ?

「これはわたくしがたてものの裏に積んであっただんぼーるを
 なんまいか持ってきて、このざっしのしゃしんをもとに
 みずから作りあげてみました。座りごこちはいかがでしょうか?」
「何だってぇ!?」見ると確かに手元の雑誌に載っているソファそのままだ。

「・・・ふ、ふん。どうせ用務員が勝手に教会に備品として持って来たのだろう。
 それを勝手に動かすとは、幸村は感心しないな」
夜空はあくまでも信じないつもりだ。

「・・・わかりました。それではそのそふぁを鉄に変えてみせます」
言うなり幸村はソファに触れると、ソファの色が一瞬にして黒く変わった。

「んひぁ!?」
夜空が全身を総毛立たせながら跳びあがる。
ちょうど夜空が座った所が凹んだ形のまま、確かに鉄になっていた。
「ぐぬぬぬ・・・」
夜空はまたしても苦虫を噛み砕いたような顔で
鉄と化したソファを睨みつけていた。

その後、理科も来たので事情を話すと
「もう一度その手品を再現して下さい!」
と部室を測定器と撮影機材だらけにしてしまい
座る場所すら無くなってしまった・・・