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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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能力開発・星奈



週末の金曜日になり、俺達のクラスがQUDBAISに掛かる時間になった。
QUDBAISが搭載されている車輛はちょうどレントゲン車のようなサイズだが
中に入ってみると、まるで宇宙船の内部のようなハイテク機械が詰まっている。
俺はその中にあるベッドに横になると、ベッドはそのままスライドして
巨大なコイルのような装置の中に頭を突っ込む格好になった。

月詠小萌先生という専任講師の話では
そのコイルから微弱な電磁波が照射され、脳内の幾つかの部位を
規則的に刺激すると、いわゆる能力のスイッチが入るらしい。
照射はほんの10分足らずであっけなく終わった。

その後、小萌先生から幾つかの教科書と参考書、特殊なノート類が手渡された。
これを使って今後は「時間割り」集中課程が行われるそうだ。
早速頭にバンド状の脳活動モニターを巻いて、簡単な能力考査を始める。
クレペリンテストやIQテストのようなものから始まり
音や光、匂い、触覚などを鋭敏にする訓練からカードゲームのような物まで
その日は丸一日費やして色々やらされたのだった。



放課後になってようやく俺達は解放され
心身ともにぐったりとしながらも俺と夜空は部室へと向かった。

部室では、星奈がソファに体を投げ出すように座っていた。
同じく「時間割り」集中課程を受けたらしく、顔には疲労が出ていたが
それ以上に、目が輝いて妙な精気があるような感じだ。
と、星奈は俺達を見て突然立ち上がり、それから自信満々に宣言した。

「ほーっほっほほ!愚民共、私の足元にひれ伏すが良いわ!」

「はあ・・・?」何を言ってるんだコイツは。
「・・・肉、ついに脳味噌にウジが湧いたか」
夜空もあきれたように言った。
「ああ分かった分かった。ついに肉がロースハムになる時が来たという事だな。
 そうしたら好きなだけ崇めてやるから早く加工場に行ってこい」

「ち、違うわよバカ夜空!ほんっとにバカね!
 能力よ!私にもついに能力に目覚める時が来たって事よ!」
「「何!?」」
つい二人でハモってしまった。
「・・・ああそうか肉め。自らの肉を美味しくさせる能力だな。
 そうと分かったらとっとと屠殺場へ行け!」
「だぁから違うって言ってるでしょ!!!
 今日の訓練で私にレベル4相当の空力系能力が現れたの!!!」
「「な・・・何だと!?」」
またしてもハモった。
いやそれはどうでも良いけど、能力って本当にあの能力の事なのか!?

「・・・ふん、今日は特別に見せてあげるわよ。私の手を見てなさい!」

言うなり星奈は右の手のひらを上にして掲げる。
そうすると、ふいに手からつむじ風のような空気の流れが生まれ
それは急激に部室全体を巻き込む旋風となった。

「うわ、うわわわわ!!!もういい!分かったから止めろよ星奈!」
俺は叫びながら部室内の物が渦を巻いて吹き飛びそうになるのを必死で押さえた。
星奈が手を伏せると、風はたちまち収まって部室の中の物も元の位置に戻った。

「く・・・肉め・・・」
夜空が珍しくも悔しそうな表情を見せる。
「ふふーん、どう?こんなの序の口よ」
反対に星奈はもの凄く誇らしげだ。
部室には他にも幸村と理科がいたが、二人とも呆然としている。
「星奈のあねご、まじぱないです」
幸村も珍しく興奮した口調になる。
「星奈先輩っ!!!これって本当にトリックとかじゃあ無いんですか!?」
理科は何だかひどく焦ったような表情で言った。
「いや絶対トリックの類に決まってます!星奈先輩、ぜひ種明かしお願いします!
 いえ、これは理科の頭脳に掛けて絶対に解明してみせます!」
言うなり理科は部室を飛び出して行ってしまった。

「あら、そういえば小鷹もバカ夜空も、当~然、能力が芽生えたんでしょうね?
 何の能力かしら~♪強い能力じゃなきゃ張り合いが無くっていやだしね~♪」
「ぐぬぬ・・・」
夜空は何も言えず、もの凄いしかめ面のままだ。

そういえば今日はまだ始まったばかりで、俺や夜空だけじゃなくて
クラス中でまだ誰も能力に目覚めた者はいなかったと思う。
もし他のクラスにもいないのであれば、星奈が一番乗りという事になる。
確かに星奈は性格はこんなだが、文武両道何でもこなせる完璧超人だったな・・・
そういえば水泳を教えにプールに連れて行った時も、たちまちマスターしたし
コイツが驕り高ぶるのも無理はないかも知れない。

「この能力を、そうね、「旋風操作(ツイスターハンド)」と名付けようかしら。
 しっかし「時間割り」の専任講師って本当にエロくてムカつくわ!
 何が『巨乳は空力使いの素質がある』よ!マジでいやらしいのよね!」
それを聞いて夜空の顔が益々険しくなったようだ。

「・・・小鷹。私は体調があまり優れないので帰るぞ。後は頼んだ」
そう言って、夜空はすぐに部室から出て行ってしまった。
すれ違うように理科が、何やら色々な機械を手に戻って来た。
「星奈先輩!ちょっと脳波を測らせて下さい!あと監視カメラで
 星奈先輩の一挙手一動足を全て撮影させて下さいね!あとセンサーも!」
「ああっもううっとうしいわね!ちょっと小鷹何とかしなさいよ!」
「はあ・・・俺ももう帰ろうかな・・・」

今日は何かと疲れを感じるのだった。