二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

INDEX|12ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

ワンパターンすぎるかも



学校の帰り、俺はいつものようにスーパーへ買い出しに行った。

レベル4になった小鳩は最近毎日のようにお腹を減らせて帰ってくる。
小鳩は元々食べるほうだったが、この頃はさらに食欲旺盛になってきた。
まあ発火能力者は大食いの傾向があるというし
レベル4ともなれば奨学金も多く出るので
俺は気にせず料理に専念出来るというものだ。

「うおっ、特売の時間に間に合ったぜ!今日は不幸・・・じゃない!」

スーパーの特売コーナーで、聞き覚えのある声が聞こえたので振り返ると
そこに最近知り合ったばかりの人物が買い物カゴを片手に立っていた。

「おっす、羽瀬川」
「あ、や、やあ、上条」何だか堅苦しい挨拶を交わす。
「なんだ、お前もタイムセール目当てか?」
「ん、ああ、そうなんだ」
「まあ、お互い居候が居ると大変だよなあ・・・羽瀬川の妹も大食いなんだっけ。
 食い意地の張ったヤツだとエンゲル係数が上がって大変だよなあ」
「は、はは」
実は、男と話すのはあまり無い機会なので
ついつい相づちを打つばかりになってしまう。

ちなみにこの男は上条当麻とか言って、俺達とは別の高校に通う高校生だ。
たまたまスーパーで、彼が転倒した所を助けたのがきっかけで話すようになった。
彼は気さくで話しやすく、俺としては久しぶりに話し相手となる男が出来たわけだ。

「そういや今日は特売で卵1人2パックで200円だってよ!早速行こうぜ!」
「ん、ああ、そ、そうだな!」ついついどもりながらも応える。
なんだろう、やはり同じくらいの年の男と下らない話をするのは気分がいい。
男同士でつるむっていうのが夢だったんだよな。いつの間にか顔がニヤけてしまう。
ああ、本当に学園都市に来て良かった、俺の青春は始まったばかりだぜ!
「お前、何でそんなに恐い顔してんだ?・・・俺なんか悪い事言っちまったか?」
やべえ、また失敗しちまった・・・恐い顔が俺の特徴だからな・・・
「え?ああ、いや、何でも無い・・・」
「んーそうか」上条は飄々として気にしていないようだ。

彼は不思議な男だ。何だかんだ言って妙な包容力があるっつーか。
この男、意外にモテるんじゃないだろうか・・・


「あとはこのモヤシを買って・・・」見ると、卵とモヤシしかカゴに入れていない。
「え、今日もそれだけで良いのか?」前にも同じ物しか買ってなかったような・・・
「ん?あー、上条家は万年金欠状態でして・・・これしか買えないのでありませう」
「けどこれじゃあ栄養が偏るんじゃないのか?」
「いやいや、上条さんの居候さんはこれだけでも腹が膨れるのであります事よ!?」
「・・・そりゃ無いだろ・・・」これでは作る料理も限られてしまうだろう。
「まあモヤシだけじゃなくてキャベツも入れておけよ。モヤシよりかは遥かに
 栄養もあるし、腹も膨れるぞ」そう俺は言ってキャベツを上条に手渡す。

「あとキャベツなら料理のレパートリーも増えるしな。例えば俺が作ってるのは
 中に野菜とオカラを入れたロールキャベツなんだが・・・」と話しながら
俺はふと、この男はお金をどうやりくりしているのかが気になった。
最初の自己紹介で、自らレベル0の無能力者と言っていたが
レベル0では奨学金も補助も出ないので大変だろうな、とぼんやり思っていると
「なあ、結構料理について詳しいのは分かったけど、料理出来るのか?」
上条が訊いてきた。
「ん?ああ、まあそこそこは出来るけど」
「じゃあ今度、俺に料理教えてくれねえか?」
「え、なんだって?」思わず聞き返してしまった。

「あー何だ、最近同居人がだな
『とうま!最近料理がちょっとワンパターンすぎるかも!』
 とか言って来たんでな。でも買える食材は限られてるだろ?
 だから少ない食材の中でどう料理のバリエーションを拡げるかが
 今の俺の課題でなー。
 で、料理の上手い人に直々に教えて頂きたいと・・」

「・・・あー、そういう事なのか」居候に文句を言われるのはきついだろうな。
しかし、男に頼み事をされるというのは何だか友達同士になったみたいだ。
「あ、い、いいぜ」嬉しさを噛み締めつつどもりながらも返答した。
「おおっ!ありがてえぜ!それじゃあせっかくだから羽瀬川の妹も呼んで
 ささやかながら引っ越しパーティーとでもしゃれ込みますかね!?」

「な、何だって?」俺にとっては超弩級の提案だった。
「あー、迷惑だったか。まあ学園都市に家族で引っ越してくるっつーのは中々無いしさ
 せっかくだからお近づきのしるしに、って思ったんだけどダメか?」
「え、いやそんな事思っても無かったんでびっくりしただけなんだ」慌てて返す。
「おっし、じゃあ近いうちにでもやりますか!」

と、上条の携帯電話が突然鳴った。彼は慌てたように電話に出て
それから俺への挨拶もそこそこに猛スピードでレジに向かっていった。



週末の金曜日になり、買い出しでまたスーパーに行くと
スーパー手前の道で上条に会ったので、いつものように挨拶を交わす。
すると上条から例の個人的料理教室兼引っ越しパーティーの話が挙がった。

「じゃあ急かも知れねえけど、明日の土曜とかどうだ?」
「そ、そうだな・・・うん、大丈夫だろ」俺は小鳩の顔を思い浮かべながら返事した。
「よっしゃ決まりな!じゃあ、ケータイの番号とか交換するか」
「えっ!?」またしても思っても見なかった提案にちょっとビビる。
まさか男同士でケータイの番号を交換する日が来るとは・・・すげえ感動だ。

「あら、上条さんのケータイは噛み付きません事よ?」
「あ、いや、そういうワケじゃなくって」
「じゃ、ほい」ケータイを差し出す上条。
俺は(感動と緊張で)手が震えるのを必死で抑えつつもケータイを差し出す。
ピッ、と赤外線通信の音が鳴り、ケータイ番号の交換が出来た。
ほっ・・・幸村に赤外線通信のやり方を教えてもらっていて良かったぜ。
すると上条は、試し打ちと称してその場で空メールを俺に送ってくれた。
「ピピッ」デフォルト設定の着信音が鳴る。もの凄え感動に震えるぜ・・・

「ん、何だあ?また具合でも悪いのか?」
「あ、ああ、いや何でも無いよ。じ、じゃあ俺からも送るから!」
「おっ、上条さんはいつでも受け入れOKですことよ!?」
この会話を誰かが端から聞いていたら変に思われるだろうな、とぼんやり思っていると
「へ~、男同士でメアド交換とはねえ」後ろの方から女の子の声が聞こえて来た。

振り向くと、そこには肩まである茶髪で制服の美少女が立っていた。
「あぁ、何だビリビリか」上条が挨拶代わりにつぶやいた。
「ア、ン、タ、はぁーーーっ!いつになったら御坂美琴と覚えてくれるのよ!」
そういうと彼女は頭から放電するように火花を散らす。

えっ!?御坂美琴だって?
俺にも彼女が誰であるか、TVとかで大体知っている。
7人しか居ないレベル5の第三位、常盤台中学のエースである御坂美琴の名は有名だ。
その彼女がなぜ上条と知り合いなのだろう?

そうこうしている内に二人が取っ組み合いの喧嘩みたいになってきたので
俺は慌てて二人をなだめようとした。

「あ”?そういや誰アンタ?」彼女はようやく今初めて俺に気付いたようだ。