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おやまのポンポコリン
おやまのポンポコリン
novelistID. 129
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永遠のライバル

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「こいつだけは許さねえ!」
俺は対峙した敵に鋭い眼差しを向けた。
サム、不倶戴天の敵。
俺が愛するベッキーを奪い取った、ジゴロ野郎だ。
こみあげてくる怒りを抑えられなくなった俺はついに動いた。
2メートルを跳躍し、全体重をかけた渾身のパンチを浴びせかける。
だが・・・。
「甘いなリック」
サムはひらりと体をかわすと不敵な面構えで笑った。

「フン、おまえとはやはり決着をつけねばならんようだな……」
俺は、軽く着地すると再び向き直った。
それに対し、やつはゆっくりと回り込み、腰を低く構える。
「来る!」
俺は全身の闘気を集め、強烈な攻撃を受け止めるべく、防御態勢をとった。
が、その時、ふいに俺の体がふわりと浮くのを感じた。

「だめでしょ、シマポン。こんな所で騒いでいては!」
俺を抱きあげたのは、住居にしている人宅の住人だった。
見ると、サムの方も別の人間に抱きかかえられている。
「もう、クロスケったら・・・。ご近所に迷惑でしょうが・・・」

俺は完全に切れた。
「ババア、離しやがれ! だいたい俺の名前はシマポンじゃない。パニッシャー・リックだ! やつだってクロスケじゃない。サム・ザ・ブラックと・・・」
だが、こいつは全然聞いていなかった。
「ハイハイ、お魚買って来ましょうね」などとトンチンカンなことを言うだけだった。
しかも・・・。

「やめろ! 俺を閉じ込めるんじゃない!」
こいつは俺をブタ箱に閉じ込めると、恐ろしい場所に連れて行きやがった。
そこは・・・。





「お前だけは許さねえ! フランク・・・」
「それはこっちのセリフだぜ、ジャック!」

貧弱な新参者が、おデブなメスネコ、ベッキーを奪い合っているのを、俺達は薄笑いしながら見下ろしていた。

「あんなブサイク猫、どこがいいんだか」
サムが毛づくろいをしながら呟いた。
「まったくだ。俺達も昔はどうかしていたぜ」
今は無二の親友となったサムを相手に俺は相槌を打った。

激しい戦いを繰り広げる、フランクとジャックを見下ろしながら、
サムがポツリと言った。
「まあ、ベッキーがどちらを選ぼうが、俺達手術済みには関係のないことさ」
 
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