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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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電話にまつわるへんな話

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おれおれ詐欺



数年前、なんとわが家にも「オレオレ詐欺」の電話が……!

相手は夫の名を語り、かなりあわてたようすで息せき切っています。まあ、演技ですが。

ニセモノ「今、事故にあって、大変なんだ」
ワタクシ「え? けがでもしたの? だったらうちに電話するより病院に行けば」
ニセモノ「けがはないけど、追突しちゃって」

夫は東京の出版社に勤めており、電車で片道3時間通勤なので、車なんか乗りません。
ワタクシ、おもしろがって続けました。

ワタクシ「追突って、どこで?」
ニセモノ「え? 木更津」
ワタクシ「なんでそんなところにいってるのよ」(内心、「ば〜か」と思いながら)
ニセモノ「だって配達で」
ワタクシ「何、配達してるの」(もう、おかしくてたまりません)
ニセモノ「………」
ワタクシ「とにかく、まず警察行けば」
ニセモノ「いや、相手がやくざみたいで、金を……」(半泣き状態。演技力はなかなか)
ワタクシ「だって、あなたが運転してたの?」
ニセモノ「いや、先輩が……」
ワタクシ「先輩? だったらその人が責任とればいいでしょ」

のらりくらりと返事をするワタクシに、とうとう切れたのか、怒鳴ってきました。

ニセモノ「ばかやろう。そんなこと言ってらんないんだよ!」

ワタクシ「あんたに馬鹿よばわりされる筋合いなんかないわよ。馬鹿!!」

ここでやっと相手はばれていたことに気がついて、勢いよく電話を切ってしまいました。
もうちょっとかまってやろうと思ったのに。

みなさん、くれぐれもお気をつけて。