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DESTINY BREAKER 一章 2

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まだ、はっきりとしていない意識をなんとか覚醒させ見上げると、鬼のような形相(いや、あれは鬼に違いない)をして担任でもあり古文担当の児島先生が、ジーンズに包まれた腰に片手を当て眼前にそそり立っていた。
状況が、いまいち理解できず、やあどうもみたいな感じで頭を下げると、児島先生は他の教科書より幾分か厚い古文の教科書を丸め、
「なにが至福だ。この、」
馬鹿者という言葉とともに、先刻下げた桜花の頭をもぐらたたきのようにスコンと叩いた。
「春眠暁を覚えずにはまだ早いぞ。千条。」
さらに、丸めた教科書の先端で桜花の頭をグリグリと弄ぶ。
「眉目秀麗で才色兼備。校内の生徒たちから『霧姫』と謳われているあなたが実は、こんなです。なんて知られたら、ファンが泣き出すわよ。」
呆れた調子を含んだ少し冗談めいた口調で、不敵な笑みを浮かべながら、児島先生は腕を組んで桜花を見下ろしていた。
桜花は頭を叩かれた衝撃のためか、それとも教室に盛大に響き渡る『痛っ!』という自分の声の大きさが原因か定かではないが、やっと自分は学校に来ていて、今が古文の授業中で、ついでにその授業中に気持ちよく居眠りをしていたことを理解し、
「ニコッ。」
と出来うる限り最高の笑顔で応えてみたが、目の前の教師の反応はいささか冷たい。というか、少し油を追加してしまったか。常識的に考えれば当たり前だけど。
「・・・すいませんでした。」
今度は、申し訳なさそうな表情をおまけに付けて、自分の犯した過ちに対して素直に謝罪した。
それに満足したようで児島先生は「ふむ。」と一言、わかればよろしいみたいな顔をして教壇に戻り、授業を再開する。桜花はその姿を確認すると、教壇上で熱弁を振るう教師を目線から外し、先ほどの声の主に顔を向けた。
それにしても『霧姫』って、と桜花は先ほどの言葉を頭の中で反芻しうんざりした。


「桜花ちゃんごめん。ごめんね。わたしがもうちょっと早く起こしてれば。」
先ほど、勇気をふりしぼって私を起こそうとしてくれた教室の隣人たる親友が肩をすぼめて申し訳なさそうに小さな声で謝罪する。
「ちがうって。わたしが悪いんだよ。せっかくナツが起こしてくれようとしたのに、寝ぼけちゃってて、本当にごめんね。」
作品名:DESTINY BREAKER 一章 2 作家名:翡翠翠