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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ツイン’ズ

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 宙がそう呟くと突然私に向かって来ていたハズのロケットパンチの起動がずれた。そして、ロケットパンチは宙の彼方へ――。
 ホント死ぬかと思った。どのくらい死ぬかと思ったかというとだ、起動を変えたロケットパンチは私の前髪を少しかすっていった。これはビビるだろ誰でも。ここはひとつ宙に注意してやらんと気が済まん。
「宙!!」
「なんだバカヤロー」
 私はアリスに話があるのではない。
「アリスは引っ込んでろ!」
 宙はアリスを背中に回すと、口元だけちょっと微笑みながら、
「なに……ナオキちゃん?」
「いや……なんでもない」
 私はこの時すごくやな予感がした。こいつにケンカを売ってはいけない。そう動物の野生の本能が言っている。そういえば、逃げるが勝ちと中学の時の先生も言っていた。
 私は人差し指をバシッとビシッと宙に突き刺した。
「今日はこのぐらいにしといてやる、今度会った時は!」
「……今度会った時は?」
宙の声を聞いたとたん私の背筋に冷たいものが……。
 私は人差し指の方向を変えた。
「直樹♂、お前を殺す!」
 宙には手を出せない。だって恐いんだもん。昨晩のこともあるからな。
「さらばだ、二人とも、は〜はははは……」
 私は逃げるんじゃない、見逃してやったんだ……たぶん。

 そんな感じで俺’は帰って行った。……てゆーか、なにしに来たんだあいつ。
「……直樹を殺しに」
 また、宙に心を読まれた。こいつの前じゃエッチなこととか考えられないな……ニタッ。
「エッチ!!」
 バシッとアリスの平手打ちが俺の頬に痛恨の一撃。――読まれた。
 そんなことより学校に行かなくちゃ……ってもうないんだっけ?
「……ぃな予感がする、もうぃち度学校にぃく……」
「やな予感?」
 宙は学校のある方向を遠い眼差しで見つめ俺に言った。
「後ろ乗っけてぃって……」
 後ろとは自転車のことだろう、俺即OKし……出来なかった、なぜなら宙の一言がそれを阻んだからだ。
「そぅ…ぁりがとう…早く行きましょぅ……」
 俺が『いいよ』って言う前に読まれた……。
 そして俺は宙を愛車のジャガー(自転車)の後ろに乗せて猛スピードで学校へと向かった。