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なっちょん
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novelistID. 25113
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片山レンジャー 前編

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 あの事件より半世紀を経て、世界は落ち着きを取り戻しつつある。



 多くの怪人や怪獣やその他もろもろが襲い掛かった時代は過去の物となりつつあった。




 現在、世界はヒーローで溢れている。

 五人組の彼らはもう古い。

 巨大化して戦う彼らももう古い。

 今、ヒーローは地域に一人という勢いであり。人口の三割がヒーローという時代であった。









 そんなヒーロー乱立時代において、最も無名で不格好。頼りのない猫背のヒーロー・片山レンジャーは今日も元気だった。

「おはようございます!」

 近くを歩く猫ちゃんに、ジョギング中の柏木さん(68)に。誰彼構わず朝の挨拶。お腹から。

「おはようございます!」

「はい、おはよう。斎藤さんは息災かね?」

「はい!お二人共、お変わりありません!」

「それはよかった」

 彼は去年まで片山家だった、現斎藤家の庭にある、片山池を守護するヒーローである。