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バルタン星の人
バルタン星の人
novelistID. 38562
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絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 風呂・深夜編

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就寝-ワースト・トレジー-





何だかんだで大浴場から脱走してきた五人、自動販売機が置いてある廊下で一休みしていた。

ゼロ「はぁ、疲れた…」

グレンファイヤー「提案者のくせによ…」

ナイス「のど渇いた~」

ミラーナイト「丁度自販機があるけど…あいにくお金は持ってきてない…」

ジャンボット「私もだ…」

ナイス「ふっふふふ……」

困っている様子の四人の尻眼にナイスが自販機の前で仁王立ちした。

ジャンボット「何をする気だ?」

ナイス「まぁ見ててください」

半笑いで自販機の前に立つナイス、正直かなり怪しい。
そしておもむろにしゃがんだナイス、次の瞬間…

ナイス「てい!」

四人「ズコー!」

四人は思い切りずっこけた。なぜならナイスが自販機の前でスペシウム光線の逆ポーズ、所謂ウルトラマンゼアスの必殺技、スペシュッシュラ光線のポーズをとったからだ。

グレンファイヤー「お前バカか―」

グレンファイヤーがツッコもうとしたその時…

ガコン…

四人「え?」

四人が目を丸くしたのも無理はない、何故かお金を入れてもいないのに飲み物が入ったペットボトルが出てきたからだ。

ナイス「やった!成功!」

グレンファイヤー「そんなのありかよ~」

喜ぶナイスの横で唖然とする三人。

ゼロ「ナイス!まだまだ甘いな!」

そんなナイスを見てライバル心が点いたのかどうかはわからないが、ゼロがふっと自販機の前に立つ。

ナイス「え?」

ゼロ「見てろ」

ゼロは自販機の横に立つと、すぅと深呼吸を始めた。

何をやるのかと興味津々の四人、すると…

ゼロ「ちぇいさー!!」

どこぞのビリビリ娘のような強烈な回し蹴りを、自販機に放った。
蹴りが直撃した自販機はドンという音とともに一瞬波打った。

四人「オイィィィィ!?」

あまりもやり過ぎな蹴りに、四人が叫ぶ。

ゼロ「驚くのはまだ早いぜ!」

罪悪感など全く感じてなさそうな様子のゼロは自販機を指さす。
ちょうど同じタイミングで、自販機の手口からペットボトルが続々と出始めた。

四人「(アレ?これやばくね?)」

四人は喜ぶ前に、あること危惧していた。それはこのような精密機械には当然のごとく装備されているもの。やがて、それは的中した。

『ビィー!ビィー!』

グレンファイヤー「バカヤロォォォ!!」

グレンファイヤーの慟哭とともに、五人は再び脱兎の如く駆け出し始めた……



メビウス「お帰りなさい!皆さん!」

完全に疲れた五人を待っていたのは、五人の自室で布団を敷いていたメビウスだった。

ゼロ「完全に他人事だよな、お前…」

ナイス「ていうかこの布団はもしかして…」

メビウス「はい!ここが皆さんの寝室です!」

グレンファイヤー「ニコニコ顔で言うな…」

ミラーナイト「もう寝る時間だったとは…」

ジャンボット「短いようで長かったな…」

メビウス「明日は早いので、とっと寝てください!」

ゼロ「はいはいわかったよ」

渋々寝る支度を始めた五人だったが、ここまで来るのに相当な体力の消耗してきたため、実はようやく眠れることに感謝ァ☆していたのである。



メビウス「それでは皆さん!お休みなさい!」

わざとらしくお辞儀までして去って行ったメビウス。電機は既に消灯されていた。

ゼロ「あぁ、ようやく寝れるのか…」

ミラーナイト「今頃になって体中が痛くなってきた…」

五人は布団に包まり、長かった一日を振り返っていた。なおジャンボットが布団で寝るという、いささかシュールな光景が見られるが、もうそんなことでは笑わなくなっていた。

グレンファイヤー「全く…尻の感覚がなくなりそうだぜ…」

ジャンボット「なんだかあっという間だったな…」

四人が物思いにふけっていたその時、

ナイス「ぐがぁぁぁ!すぴぃぃぃ!」

四人「プッフフフ!www」

ナイスがものすごいいびきをかき、四人は思わず笑ってしまった。

デデーン

『ゼロ ミラーナイト グレンファイヤー ジャンボット OUT』

スパン!×4ドガシャ!!

ゼロ「おいてめぇ!」

尻をシバかれたゼロは、原因となったナイスを起こそうとする。しかしナイスは起きようとはしない。

グレンファイヤー「この野郎!なーにすげぇいびきかいんてんだァ!?」

グレンファイヤーもナイスに向かって怒鳴り声をあげたが、ナイスには全く効果がなかった。

ミラーナイト「起きそう?」

グレンファイヤー「いやダメだ、ちっとも起きようとしねぇ…」

ジャンボット「全く…」



10分経過…

「zzz…」

ナイスのいびきにも次第に慣れ始め、それぞれが眠りについていた。

ゼロ「寝れねぇ…」

グレンファイヤー「俺も…」

この二人を除いては…

グレンファイヤー「ったく、アイツ等はいいなぁ~」

ゼロ「ホントだぜ…」

目を閉じようにも、うるさいいびきが邪魔をする。比較的すぐに寝たミラーナイトとジャンボットとは違い、二人は眠りを妨げられてしまったのだ。

ゼロ「とにかく目を瞑れグレンファイヤー、じゃねぇといつまで経っても眠れないぜ?」

グレンファイヤー「んなこたぁわかってるわ!」

とにかくまずは先ほどと同じく目を瞑る二人、ようやく眠気が沸き起こってきたのでこれ幸いと眠気に身を任せる二人。その時…

『今夜がやまだー』

二人「ハァ?」

突然聞こえてきた声、再び眠気を妨げられてしまう。

『今夜がヤマだ』

二人「…」

『コン~ヤガ~ヤマ~ダ』

二人「ブーッwww」

妙な発音に、遂に吹き出してしまった二人。

デデーン

『ゼロ グレンファイヤー OUT』

スパン!×2



『今夜が山田』

グレンファイヤー「もうええわ!」

その後もしつこく続く「今夜がヤマだ」攻撃に、二人はイライラを募らせていた。
なお残りの三人はというと、何故か全く起きていなかった。

グレンファイヤー「最悪だ…」

ゼロ「もう無視するしかねぇな…」

二人は聞こえないフリをして、この場を切り抜けることにした。
目を瞑る二人、今度こそと寝ようとしたが…

『ショウヘイヘーイ!』

二人「…」

謎の掛け声に変わった、二人は堪えようとする。

『ショウヘイヘーイ』

二人「……」

『ショウヘイヘ~イ!』

二人「フフフwww」

急に1オクターブ変わった掛け声に、二人は笑ってしまった。

デデーン

『ゼロ グレンファイヤー OUT』

スパン!×2



二人「ハァ……」

繰り返された掛け声に、二人の精神はもう限界に達していた。

ゼロ「だがもう聞こえてこねぇ…今がチャンスだ…」

グレンファイヤー「あ、あぁ…」

きっと朝には目の下にクマが出来てるだろう、そう思いながら目を瞑った二人だった。
だがしかし!そんな二人に今晩最悪の悪夢が襲いかかった!

ガチャ

ラゴン(♀)「シャーッ!!」

ゼロ「ブーッ!」

グレート「あぁん!?歪みねぇな!?」

グレンファイヤー「ブーッ!!」

よりによって一番会いたくない訪問者に、二人は眠気を忘れて布団から飛び出した。それを当然のごとく追いかけてくるラゴンちゃんとグレート。