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ありんこ探検隊

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薫風が吹く頃。
その日の朝は、彼らの出発を応援するかのように青空がどこまでも続いていた。
選ばれた六匹は、爽やかな気分で集まった。
「お兄様」
声を掛けてきたのは、副隊長の蟻イチの妹の蟻ッサ。

蟻ッサは、女王蟻の傍に仕える、上品で可愛く優しい娘だ。
そして、この任務が無事完了し、新天地に移れたなら、リーダーの蟻ーダとの約束が
許されることになっていた。

「どうした?女王蟻様のお傍を離れていいのか?」
「はい、大丈夫です。女王蟻様からコレを皆さまにと預かって参りました」
「ん?じゃあみんなに」
「はい。どうぞ。はいどうぞ。はい。はい」
そして、最後に蟻ーダに差し出した。
「蟻ーダさんもどうぞ。どうかお気をつけて」
「ありがとう。頑張って来るよ。蟻ッサも体に気をつけて」
黒く大きな瞳が艶々と輝いた。
「では、見送りのみなさん。行って来ます」
彼らは、列を組んで太陽に向かい出発した。
作品名:ありんこ探検隊 作家名:甜茶