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忘れていた風景

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 中野はどういうわけかカレーライスを食べたいと思っていた。それを云ったわけでもないのに、ミーちゃんがそれを持ってきてくれた。中野はミーちゃんに絵を贈りたくなった。
「ちょっと聞いてください」
 中野が声を張り上げた。全員が聞く態勢になった。
「この前ラジオで聞いたんですが、現在独身女性の七割は恋人がいないそうです」
「わたしもいないの」
 ミーちゃんが泣き真似のしぐさで云った。
「三年間いない人も五割だそうです」
「今日の一番いい情報だね。」
 神風氏が笑顔で云った。
「草食男が激増中らしいね」
 カリスマ氏だった。
「そういうことなら、頑張ろう。もう一度青春だな」
 神風氏が云うと、
「腰痛を治してからだね」
 と、カリスマ氏が苦笑した。
 その後一時間近く雑談をしてから、画廊が多い街へ移動することになった。
 初めて参加した中野は、オフ会もたまにはいいものだと思った。青春が戻ってきたとまでは云わないが、若い頃の明るい気分が少しだけ蘇ったような気がした。



作品名:忘れていた風景 作家名:マナーモード