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一期一会

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雨のドライブ



 善光寺の横の土産物屋で、早川は中身の数が多い温泉饅頭を買った。しのぶは蕎麦や野沢菜漬けや七味唐辛子など、かなりの量を買い込んだ。金額にして二万円以上だったようだ。
早川はそれを車のトランクに運ばされた。さえらも手伝った。小雨が降っていた。

                  *

松代へ戻ってもう一度「虫歌の湯」で入浴した。庭園露天風呂に行くと一時的に雨がやんでいた。大きなオニヤンマが飛んでいた。早川はあの娘がいないので物足りない気持ちだった。
ラーメンをご馳走になってから午後一時に帰路についた。高速道路の渋滞を嫌って一般道路で帰ることになった。
早川はなるべく黙っていた。前夜の失言を思い出していた。あのあとしのぶは寝室に入り、
早川はリビングのソファーで眠った。県道三十五号線沿いの水田にはトレーニングウエアなどを着せられた沢山の案山子が濡れて立っていた。その数は五十体くらい?恐らく村おこしの一環なのだろうが、不気味だった。
作品名:一期一会 作家名:マナーモード