三剣の邂逅
震えるライアの肩に手を置いたクローブが、静かに口を開く。
「もう少し落ち着いて考えてみよう。まず、死体の側にペンダントが落ちていたからといって、今回の事件にランディが関っているという確証は、今の段階ではない。……だが、ランディがバーガスのことをいろいろと調べていたという事実もあるから、全く関係がないとも言い切れない。となると、当面気になるのは、ランディとバーガスの関係だ。そこがわからないことには、結論は出し難い」
クローブは、決して、口先だけの慰めの言葉は口にしなかった。だが、ライアには、むしろそれが頼もしく思えた。
今のライアには、兄の無実を主張するだけの気力も、自信もない。
もちろん兄の無実を信じてはいるが、ここしばらくの兄の不可解な行動に、心が揺れていないといえば嘘になる。
そんな時、下手に情を挟んだ楽観的な物言いをされるよりも、しっかり調べてみれば、希望への確証を掴めるかもしれないという可能性を示された方がまだいい。
「バーガスって人のこと、もう少し詳しく調べてみれば何かわかるかもしれないんでしょ。あたしも手伝うからさ、早速調べてみようよ」
二人の顔を窺うように切り出したカナリに、クローブが大きく頷いた。
「そうだな。皆で手分けして、なるべく多くの情報を集めてみよう。考えるのはその後だ」
新たな情報を求めて、三人は、一斉に立ち上がった。