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怠惰

怠惰に生きて　ただ　この手は
色を失くし
それでも肉色だ

うつくしい肉の色
かなしい肉の色
いとおしい肉の色

肌はただ物言わぬ色無しの皮膚
光をうすぼんやりと映して
白く
幻を見せる


怠惰に生きたい
怠惰に生きてただこの手を死なせてしまいたい
心を眠らせたい
幾千の夢
たゆたうだけの暗闇


色の温度に舌の赤を触れさせ
皮膚のさらりとした感触を思い出したい
けれど、瞳を固く閉じて
鍵をかける

怠惰な苦しみ
怠惰な涙

とろとろり

なにもかも
知りやしない

る