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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その4】

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◆第12章 赤い封印◆


「オレちょっと前に見たんだ、大量の真っ赤な花びらが空き地に落ちてるのを。フツーそんなことありえねぇだろ?近く見たってそんな花咲いてるわけでもねぇし。そン時のあいつ、ヘンだったんだよ!なんか…ごまかしてるっつーか、隠してるっつーかさ!」
 そう言いながら、雄吾はミシェルの方へ歩み寄る。

 そして再びミシェルの肩を掴んだ。
「なぁ!あいつが泣いてた時、何持ってたと思う?花びら持ってたんだよ!白いハンカチに包んでさ!それ、空き地に落ちてた花びらと同じなんじゃねぇのか?なんであんな花びら、茶色くなるまであいつは大事そうに持ってるわけ!お前なんか知ってんじゃねぇのか!」

 ミシェルはうつむき、深いため息をついた。

「あんた[兄貴]なんだろ?あいつを泣かせんなよ!」
「……そうですね」
「咲夜はどこにいるんだよ!教えろよ!知ってんだろ?」
「はい……雄吾君にはやはり……言わなければいけませんね……」
 雄吾は掴んでいた手を離した。
「ただ……全容を話した所で、理解するには難しいかもしれません」
「だからなんだってんだ!オレはな!咲夜が大丈夫なのかどうかが知りたいんだよ!」

《雄吾…ありがとう……》
 私は雄吾の言葉が胸に沁みた。


 すると、ミシェルが口を開いた。
「雄吾君……、ここに咲夜はいないです」
「じゃあどこにいるんだよ!」
「人々の深層心理と繋がる泉です。今はそこに幽閉されてる状態です」
「幽閉?助け出せるのかよ!」
「もちろん。そのつもりです」

《ここにいないって……ミシェル……やっぱり気付いてないんだ……》
 私はそれでもほんの少しミシェルに期待していた。