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TUNAMI

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TUNAMI




俺、去年の春、バイクで海の近くを暴走してたらさ、津波にさらわれたんだよね。洒落になんないよね。親より先に逝っちまった俺、不良だって、うしろ指差されてた。でも、あれ以来、改心したんだ。もう遅いかもだけど、でも、まだ生きてるアホ共に云いてえんだ。てめえら、いくら退屈でもな、生きているってことはありがたいことなんだぜ。生きていられるだけで、めっちゃ幸せなんだ。

だからな、人様に迷惑かけんじゃねえぞ。真面目にな、生きなくちゃいけねえんだ。たった一度の人生なんだからよ。死んでから後悔するような生き方はやめてくれよな。太平洋の真ん中で、海の藻屑と消えた俺からの、これがお前らに向けたメッセージだ。

シンナーとか、ヤクなんかとはおさらばしてな、安月給でも我慢して働くんだぞ。人をだましたり、人のものを盗んだり、そんなことは考えてもいけねえ。
真面目に一所懸命やってりゃあ、そのうち可愛い嫁さんをもらえるかもしんないし、そうなりゃ、毎晩天国じゃねえか。

しつこいと思うだろうが、生きていられるってことは、ただそれだけで、幸せなことなんだ。それだけは忘れんなよ。

去年はいつ桜が咲いたのかもわからなかったってな。今年の桜はきれいだろうなぁ。花見に行って酒飲み過ぎて、喧嘩なんかするんじゃねえぞ。酔っ払い運転してひき逃げ事件とかな、そういうことはよしてくれよ。

なんか、俺っていい人じゃん、なんて気がしてきたけどな、いい人に限って早死にするんだよなぁ。なんとかの法則じゃねえけど、世の中って、そういうものなんだなぁ。

          了









作品名:TUNAMI 作家名:マナーモード