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てっしゅう
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「哀の川」 第三十四話

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夏が終わり9月に入った。新学期の授業のために純一は神戸に戻ろうとしていた。杏子から電話が来て、今度の日曜日に自分も神戸に行くから、良かったら一緒に帰ろう、と言って来た。

「ええ?実家に帰るの?」心配そうに聞いてみた。
「違うのよ、家には帰らない・・・立ち寄るけどね。二三日旅行かな」
「へえ~そんな気分なんだね。ひょっとして・・・マスターと約束したの?」
「まあね、あなたのおかげでちょっと仲良くなったから、遊びに行こうかと・・・お店休むのは気が引くけど、たまにはいいよね。ずっと一人でやってきたから」
「良かったじゃない!じゃあ一緒に帰ろうよ。母さんに言って新幹線の切符買って貰うから・・・約束ね」
「ありがとう、麻子さんによろしく言っておいてね」