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私は殺される!同人作家・沙織

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女性専用グリーン車



 沙織が、やおい系小説を書いている時代、12歳以上の女性は映画館に行けば、無料で映画が観られ図書券500円分もらえる。特急電車はグリーン車しか乗せてもらえない。グリーン車は女性専用車両である。車内は女性乗客がスピーカーで大きな音で音楽を流している。
「うるさいわね」
入院生活から1年たった。沙織と黒猫の二人は、温泉地へ列車で行く。日本人女性はグリーン車に乗るように義務つけられている。グリーン車には男性は乗れない。バカでかい音で大型スピーカーで音楽を聴く女性が何人もいる。
「早く発車して」と女性乗務員に文句を言う。
「時刻表どおりでなければ列車は走れません」
「なに言っているの!お客がみんな集まったのよ」
グリーン車の床は、噛み捨てられたガムで汚れ、窓ガラスは汚れている。壁には落書きがたくさんある。カーテンも破かれている。

 沙織は指定された座席に座った。
隣の女性客が言った。
「あんたバージン?男性と経験あるの?服装が淫らだから」
沙織の服装はジーパンにTシャツなので、肌を露出した服装ではない。
「なに言っているの!」
見知らぬ女性から変なことを言われて不愉快だった。

 グリーン車は片側1列、右側2列で座席も太った男性でも十分余裕がある。でも、大型スピーカーでバカでかい音で音楽を聴くし、禁煙なのに喫煙するので、目が煙い。

 大型スピーカーでグリーン車の窓ガラスを強く叩く。グリーン車の窓ガラスは水族館や宇宙ステーションに使われる分厚く頑丈なガラスなので、人間の力、いや至近距離から機関銃を打っても何ともないほど頑丈である。

 沙織はグリーン車にいるのが耐えられなくなり、温泉地へ快速電車で行くことにした。

 その時、沙織と黒猫に、20冊ずつ無料の雑誌を渡された。
『男をよせつけない!』という部数3000万部も売れている雑誌である。
いかにしたら男性から嫌われるかという内容の雑誌である。すごくダサい服装の仕方とか、極端なフェミニスト思想のコラムなどが載っているが、沙織と黒猫は、すぐにゴミ箱に捨てた。