小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

さ・く・ら

INDEX|4ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 


私が【見えるようになる】日が、学校の春休みにと重なる年が多い。でも、2月から3月初旬に寒い天候が続いたせいで、今年は大勢の子ども達を見ることができた。

そして、子ども達が休みの日曜日。小さな女の子の手を引いて男がゆっくりと歩いてくるのが【見えた】。女の子の方が気持ちが先に立っているのだろう。父親を引っ張っているようにも見える。おそらく二歳くらいの女の子だ。

「さくら、桜咲いてるよ」
「しゃくら咲いてるね」

私は、ああ、あの子だと分かった。さくらという名前の小さな女の子。しかしお母さんがいない。どうしたのだろう。父親の顔に精彩が感じられない。私は、もしかしてと暗い気持ちになった。

「きれいだねえ」大人っぽい言いかたで女の子は言って私を見上げる。
「うん、きれいだね」父親は風呂敷包みをほどいて、とりだした写真を私にかざした。



作品名:さ・く・ら 作家名:伊達梁川