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群青の中で

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音無き音が俺を現実へ引きずり込む…。ここは何処だろうか…そんな事分かっているはずなのに理解を拒もうとする。目の前に広がる空間は暗い…いや、少し青いな。群青色とでも言うべきか? そんな感じの色をしていた。
色から推測するに、今は夜か? 全ての物が消え去ってしまったかのような静けさに別段震え上がる訳でもなく、枕元に置いてある携帯電話を開いて今の時間を確認する。
夜中の二時…か。上半身を押し上げ、電気を点けずに自分の机まで歩き、椅子に座る。深い青色をしたパソコンのロック画面が嫌に眩しい。ここで理解する…ここは自分の部屋で、群青色の光源は愛用のパソコンだったのだと。
パスワードを間違えることなく入力し、ネットを開き、動画やブログを見漁る。目が悪くなろうが関係無いと言わんばかりにパソコンを眼鏡無しで凝視する。
最近の動画は出来が良くて面白い物が多いなぁ…独り心の中で呟く。
幾時か経った後、暇になったからと言う理由で寝もせず調べものをする。
何時しか面白そうな議論を交わしているページに着いていた。
…文章力がある文…ねぇ。文章力なんて言われてもパッとしないよな。誰がそれを決めるのかって言われるとやっぱり好き嫌いが混ざるだろうし。現に俺の友人に好き嫌いで判断している人がいるしな…。
閑話休題。そのサイトで話題になっていた背後で爆発が起きて振り返る文を作ってみた。

異常な程重い音が圧し掛かる。刹那、体中に重い何かが圧し掛かる。それはとても鋭く且つ柔らかい風だと認識できた。前に見える人たちの服と髪が前に向かって激しくはためいている。俺は自分に伸し掛かってきた風に抵抗する術も無くそのまま立ち尽くしていた。何時しか生温い液体を伴った物体が背中に伸し掛かり、俺をそのまま薙ぎ倒していく。
倒れながら見た眼前に広がる光景は紅く、そして酷く鮮やかでこの世の光景とは思えないほど美しかった。
見るも無残な姿になってしまった俺はうつ伏せの状態から力を振り絞って燃えているであろう後ろを見るべく振り返った。

長い。我ながら酷い出来だ。短くできないのだろうか一人頭を悩ます…が、結局何もできず、そのまま爆発の文についての思考を止める。
パソコンをロックし、再びベッドへ身を投げる…しかし、寝付けるはずも無くそのまま寝たふりをした。
三年程前から夢と言うものを見なくなっていた。唯一見る事と言えば起きているときに限って宇宙塵が俺に向かって大量に降りかかってくる恐ろしい幻覚だけだ。何れも理由は分からない…もしかしたら現実に絶望しているのかもしれない。
そんなことは今の俺にはどうでも良く思えた。

ふと見てみた左腕に残る傷跡は既に切り刻む為の棒と化していた。
何時出来たかすら覚えていないし、必要があったかすらも分からない。
一つだけ分かることはそれをするとよく眠れると言う事だけだ。
そして何処からともなくカッターナイフを引き抜き、また一つアームカットで左腕に傷を付ける。
何処からか溢れ出てくる安堵感。反対に出てくる赫しい液体。
そのままベッドに体を預ける。
群青色の睡魔が俺を暗黒の世界へ誘い、何処からともなく言葉を発す…。

おやすみ、世界。




















ようこそ群青の世界へ。

おはよう、世界。
上を睨み付けるその目に群青色の天井を見た。
そして俺は枕元にある携帯を取り出し時間を見た。
無機質な音も立てずに時を刻み続けるその親子は十二と二をそれぞれ指していた。
作品名:群青の中で 作家名:DUZI