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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・希望編」 第一話

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閉店後小枝子は母が言ってくれたことを雄介に話した。

「俺が話したことでそこまでして頂けるなんて・・・なんとしても成功させないといけませんね」
「そんなに負担に考えてくれなくてもいいのよ。母も考えての選択なんだから」
「俺も考えて選択しないといけませんね。中途半端はいやだからね」
「何を選択するの?」
「ここの仕事ですよ、もちろん」
「あなたは今まで通りに大学に行って店を手伝ってくれればそれでいいのよ」
「店が大きくなったら小枝子さんひとりじゃ無理ですよ。お母さんだって楽器は素人だから電話番ぐらいしか出来ないでしょ?やるからには成功させないと。それにスタートが肝心だし」
「どういうこと?」
「おれ、大学辞めてこの仕事に専念します。後悔はしません。いけませんか?」
「何言ってるの!あなたの夢を壊すようなことお願いできる訳ないじゃないの!ダメよ!」
「夢は・・・小枝子さんとずっとここにいて店をやって行くことです。大学を出てもそうするんだから一緒のことです」
「雄介・・・ご両親が反対されるわ。それに・・・彼女さんも納得しないわよ」
「小枝子さん・・・親はもう関係ないです。19歳ですよ。俺が大学辞めても迷惑をかけるわけじゃないし、家計は苦しいけどなんとかやれているし、弟たちだってもう手が掛からなくなって自分たちでアルバイトして小遣いも稼いでいますからね。佳恵は・・・これからいい人と出会えるチャンスはいくらでもあります。俺がいなくなってしばらくは淋しく感じるかもしれませんが、可愛いから直ぐに彼が出来ますよ」