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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・選択編」 第一話

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東通を抜けて前に来た場所に入った。辺りに人影は少なく平日の午前中と言う雰囲気が似つかわしくない建物に思えた。

いつもとは違う重苦しい雰囲気が二人の間を流れていた。佳恵にはなんとなく雄介がこれから話すことを聞きたくないという気持ちが勝っていた。雄介が重い口を開きかけた時に手で制して、「終わってからにしよう・・・お風呂入れて来るから」そう言って佳恵は立ち上がって風呂場に向かった。雄介は後を追うようにして着いて行き後ろから抱きしめた。

「すまない・・・佳恵、大好きだから・・・」とだけ言った。
「うん、ゴメンね・・・あなたが気にするようなことを聞いて。もういいから一緒にお風呂に入りましょう」
「そうだな。そうしよう・・・」
お湯が入るまで二人で抱き合って待っていた。雄介はもうすっかり佳恵が大人の気持ちに変わっていることを気付かされた。
雄介がしていることを知りながら・・・いや薄々感づいていながら確かめようとしなかったことで二人の関係を壊したくなかった思いが十分に感じ取れた。

「佳恵は優しいなあ・・・俺なんかにはもったいないよ」
「そんな事ない・・・雄介は私みたいな女よりずっと綺麗な人のほうが似合ってるのに、好きって言ってくれることが嬉しいよ」
「誰よりも好きでいるのにそれに答えられていない・・・弱い人間なんだおれは」
「ううん、違うよ。あなたが私を救ってくれたんじゃないの。雄介がいなかったらわたしのこれまでは淋しいものだったし・・・
それに、きっと誰とも付き合ってなんかいなかっただろうし、付き合ってくれる人も出てこなかったから本当に・・・感謝しているの」
「そんな言い方するなよ・・・堪えるよ」
「他に好きな人が出来て別れることになっても、恨んだりなんかしないよ。今までとっても楽しかったし、幸せに感じられていたんだから」
佳恵はそう言うと我慢していた涙を堪えることが出来なくなり雄介の胸に強く顔を伏せて泣き出した。

「佳恵と別れるなんて出来ないよ・・・そんなことしないから、泣くなよ」
「ゴメンね・・・あなたを疑うような事言って・・・」
雄介は自分が泣きたくなってしまった。香奈枝、千代子、そして小枝子と浮気を繰り返してきたことに恥ずかしさを通り越して嫌悪感すら覚えていた。目の前で自分にすがっている佳恵は世界中の誰よりも可愛いと感じられた。
佳恵の求めに応じて優しくそして激しく雄介は自分の思いをぶつけて・・・果てた。

「雄介のことが大好き・・・離れたくない」
「離さないから・・・佳恵が全てだ」
「うん・・・もう嫌なこと言わないから」
「言わせたりしないさ・・・」
「私でいいの?綺麗じゃないよ・・・」
「俺だって同じさ、俺でいいのか?」
「雄介は素敵よ。優しいし、頭もいいし、カッコいいし・・・」
「言いすぎだよ。バカが出来なくなってしまうじゃないか」
「口は確かに言いすぎだけど・・・」
「やっぱりそう思っているんだ。佳恵が嫌うようなやらしいことはもう言わないようにするから」
「ほんと!・・・でも、愛してはくれるのよね?」
「ああ、言わないけどすることはするよ」
「ヤダ!言ってるじゃないの!」
「そうだったね。お前が言わせるようなことを聞くからだよ」
「そんな事ないよ・・・でもちょっぴり言い過ぎたかもしれない。ねえ?私ってやらしいの?」
「なんでそう思うの?」
「いつも私から求めているみたいだから・・・雄介が変に感じていないかなあって思ったの」
「思ってなんかいないよ。佳恵のそういうところが可愛いって感じるから」
「外では真面目に振舞っているのに・・・自分がわからない」
「いいんだよ、それで。好きなもの同士はこうやっている時が一番なんだし。誰も見ていないところでは甘えて欲しいしね」
「雄介だから出来るのよ。他の人じゃ絶対に出来ないから・・・」
「他の奴なんかとするなよ!考えるなよ」
「言ってみただけ・・・怒らないで。雄介も他の人としないでね」
「うん」

佳恵には誰とも絶対に身体に触れさせたくないと思っているのに、自分は違う行動をとっていることがあまりにも身勝手であることを反省した。しかし、佳恵の想いを裏切るような選択を雄介はこの後とってしまう。