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衝動SSまとめ②(コナン)

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快新



2012/2/11


the back hornの『美しい名前』が切なくて・・・









――――――――――――――――――――







気付いてた。

本当はずっと前から。





新一のキモチ――





嬉しくてたまらなかった。
嬉しくて嬉しくて嬉しくて・・・・


確か、俺・・泣いたんだ。



嬉し泣きなんて何年も流していなかった。
泣いてたらだんだん笑えてきて、


でも、すぐに渇いた笑いになって・・・




悲しくて泣いた。





だって俺は新一の気持ちを受け取れないから。
黒羽快斗は犯罪者で工藤新一は名探偵なんだ。
新一がそんなの分かってて想いを告げてるのは気付かないフリをしてた。


だから、あの日も優しい手を振り払ったんだ。


その手が空を掴み、



その体が宙に舞うなんて思いもせずに。






真っ白な部屋で少し冷たくなった手を握る。
今はこんなにもこの手を離すことが出来ない。


なのに、



どうして・・・



離してしまったんだろう。





マジックならいくらでも過去に戻るのに、現実は決して過去に戻れない。
もし、戻ることが出来るなら・・・

忌々しいこの己の手を、


消してしまうのに。





「名探偵」




「工藤新一」




「新一」




「しんいち・・」





ごめん。

ごめんごめんごめん。


本当は俺も大好きなんだ。
好きで好きで苦しいんだよ。


でも・・でもね、

すごく怖かったんだ。



新一はまっすぐで、
その瞳に迷いなんか無くて、

そうなりたいと願った。

そうなろうと努力したけど・・・俺は駄目だった。


その弱さがこのザマだ。


なんで俺じゃないんだ。
なんで横たわるのが新一なんだよ。


身代わりマジックも出来るんだよ?

結構得意なんだ・・・



でもさ・・




本当に変わってはやれない。




マジックじゃ新一助けられないっ・・・・・






新一・・



起きて・・・




起きて・・・・・






起きた時、

一番に会えるように俺ずっとここに居るから。

離さない。

離れない。



もう逃げないから。





新一・・早くっ・・



起きてっ・・・・・




お願い―――――

end


作品名:衝動SSまとめ②(コナン) 作家名:おこた