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プロローグ

 

 私には、変な癖がある。

『こうしたら、どうなるだろう?』

 と変なことを思いつき、それを実行したくなる。実行したくなるだけならまだいいのだが、どうやら私にはそのどうでもいい思い付きを実現させてしまう、驚異的な行動力も備わっているらしかった。

 普段は全く行動力がなく、ダメな私だが、変な思い付きを実現させることに関してだけ、何故かものすごい行動力を発揮するのだ。その行動力のせいで、四,五回警察のご厄介になったことがあるほどだ。ご厄介といっても、痴漢をしたり、暴力行為を行ったりはしていない。断じてしていない。ただ、少し迷惑な行為をしただけ、ただそれだけなのに、無能な警察どもは私のことを変人扱いした。許せない! 国家の犬め! 税金返せ! ……これ以上無意味な発狂はやめて、物語を進めることにしましょう。

 さぁお楽しみ、これから始まる物語はきっと、あなたの脳髄に一滴として残らないでしょう。読んだあと「読まなきゃよかったぁ!!! 時間返せ!!」と後悔することでしょう。えてして、人生とはそういうものです。よく、「無駄なことにこそ意味があるんだ」という詭弁を耳にしますが、そんなことありません。無駄なものは無駄です。意味などありません。意味など求めている時点で負けです。……ん? 話が長いって? わかりました、でわ、今度こそ話を進めましょう。どうぞ。